WEBライター maron(マロン)
私にも経験がありますが、命がけで産んだ赤ちゃんをわが物顔で抱っこし、神社での記念撮影にドヤ顔で写る義母のことが嫌いになりそうでした。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に、トピ主の「レイ」さんが、生後1か月半の息子さんのお宮参りで、
義母の対応にモヤモヤしたというエピソードを投稿しました。
勝ち誇った義母の姿にがまんできない
画像はイメージこの投稿のケースでは、トピ主さんが里帰り出産していたこともあり、コメントには「スルーしたら?」「厳しすぎる」「仕方ないのでは?」との意見が目立ちました。私も今となっては無視できると思いますが、第1子を出産した当時は、厚かましい義母をスルーするなんて、到底無理でした。
10人中10人が義母と良好な関係を築きたいと思っているのは間違いないでしょうが、なぜか義母のちょっとした言動にイライラすることは少なくありません。2度の出産を経験した私も同じ思いでした。それでも義母を喜ばせたい一心で、“生まれたばかりの孫を見せてあげたい”と思い、実家での里帰り出産をあきらめたくらいです。
ところがいつの時代も嫁姑の関係は難しいものです。私は結局、お宮参りの写真に写る勝ち誇った義母の姿ががまんできず、とうとうリビングに飾るのをやめてしまいました。2世帯住宅で同居しているため、“こんな思いを抱くのは人として、嫁としてどうなんだろう……”と、義母と顔を合わせるたびに悩んだ記憶があります。
しかし長女が高校1年生になった今振り返ると、もしかしてあの頃は、産後のホルモンバランスの乱れが原因だったのかもしれないと思います。育児サイトやSNSで「ガルガル期」と呼ばれるこの現象は、出産後に子供を守ろうとする母性本能の目覚めが原因といわれています。本当のところはわかりませんが、私自身も確かに産後2か月くらいはピリピリしていました。
お義母さん、赤ちゃんの口へのチューはやめて!
とにかく義母に子供を抱っこされるのがいやで、抱っこされるたびに娘を取られたような気持ちになりました。お宮参りも最初から最後までイライラ、モヤモヤ。義母が生まれたての娘の口にチューしようとすると「お義母さん! 虫歯菌がうつるんで、今の時代はダメです!」と激高していました。記念撮影のときも、全く笑顔になれず能面のような表情で写り、その写真を見るたびにあの時のモヤっとする気持ちを思い出しました。
そもそもお宮参りは“義母が孫を抱っこして行う”という、しきたりのようなものがあります。ほかにも“初節句のひな人形や五月人形は妻側の両親が用意する”、“お食い初めは一番長生きしている人が赤ちゃんに食べさせる(真似をする)”など、結婚してからはじめて知ったルールも多いです。地域により違いはあると思いますが、家族を持つというのはこういった儀式やしきたりの連続といえます。
しかも赤ちゃんが生まれてから、これらの行事は休みなくやってきます。お宮参りにはじまり100日のお祝いや初節句、1歳を迎える頃には一升餅を背負わせて歩かせたりします。そのたびに義母や義父、親戚を自宅に招き料理を用意、長男の嫁としての務めを果たそうと必死にやってきました。
ところが良かれと思ってやってきた行動は完全に裏目に出ます。文句を言わず、いつもニコニコしながら義母に従う私に対する要求はどんどんエスカレートしていきました。その結果、最終的に金銭を渡されていないのに買い物を頼まれる「使いっ走り」状態に陥ったのです。
夫は100%義母の味方
うちの義母は特殊な例かもしれませんが、結局のところ嫁と姑は血のつながりがない“義家族”です。その溝を埋めようと気を使いすぎると、私のように関係がギクシャクして単なる主従関係になるパターンもあります。本音を言うと、義母の息子である夫が間に入り、嫁姑の間を取り持ってくれるのが理想です。とはいえ理想は理想です。実の母である義母の肩を持つ夫が多いのも事実でしょう。ちなみにうちの夫は100%義母の味方です。
画像はイメージどんなにうまくいっているように見える嫁姑関係でも、全くわだかまりがない家庭はないと思います。ただ目に見えないだけで、いつの時代も嫁姑の間には静かなバトルが繰り広げられています。良好な関係まではいかなくても、当たり障りなく義母と付き合うには、思考回路の変換が必要でしょう。
良い嫁に思われなくていい
私もずっと良い嫁と思われたくて“良い嫁キャンペーン”を行ってきました。その結果、知らず知らずのうちにがまんを重ね、関係が悪化していったのだと思います。
今思えば私自身にも“おごり”があったと思います。実際より自分を大きく、よく見せたいと思っていました。しかし、どんなに頑張っても義母の満足する嫁にはなれませんでした。義母との関係だけでなく、人間関係において100%相手が望むような振る舞いをするのは無理です。“良い嫁に思われなくていい、自分のできる範囲で義母と付き合う”、そう割り切る勇気が大切でした。
お宮参りで赤ちゃんを抱っこして離さない義母に対して、「お義母さん、泣くと困るので私が抱きます」とさりげなくアピールしてもいいと思います。私の経験上、どんな振る舞いをしても「今どきの嫁は」と文句を言われる可能性が高いからです。義母世代とは年代が違いすぎて価値観が合わないのは当然です。そこを踏まえて最低限の礼儀と愛想笑いさえできていればよし! とした方が、長い結婚生活をストレスなく過ごせると思います。
【トピ探訪】は、発言小町に日々寄せられるトピの中から共感できるトピや展開が気になるトピを取り上げるリレーエッセーです。
【プロフィル】maron(マロン)
WEBライター、キュレーター。
2018年からツイッター
@maron99668508でモラハラ夫と義母との生活を面白おかしく呟き始め、SNS総フォロワー数は21万人を超える。(2021年5月現在)初の書籍「ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください!」(KADOKAWA刊)。が発売中。ブログ「maronの日常オフィシャルブログ」やインスタグラム(
@maron_matome)、note『maronの秘密の部屋』も人気。
「ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください!」(KADOKAWA刊)