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    「なんでぬか床すぐ死んでしまうん?」専門家が教える正しい手入れ法

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    キュウリやナスなど、夏野菜を使ったぬか漬けがおいしい季節ですが、ちょっと手入れをしなかっただけでカビが生えたり、水分が多くなったりして、ぬか床の管理は難しいと感じる人も多いようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に、「なんでぬか床すぐ死んでしまうん?」という投稿がありました。薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、ぬか床の正しい手入れ法や変わり種のぬか漬けのアイデアなどを聞きました。
    ぬか床(山田さん提供)
    トピ主の「ゆうき」さんは、何度もぬか漬けにチャレンジするものの、三日坊主で毎回ダメにしてしまうため、試行錯誤中です。ぬか床にニンニクや昆布、鷹の爪、山椒さんしょうの実などを入れてみたり、ぬか床そのものを冷蔵庫に入れてみたり。「冷蔵庫だと漬け時間もわりと安定するし、1日くらい混ぜ忘れても平気かな?と思って入れていますが大丈夫でしょうか?」と、発言小町でぬか漬けの先輩たちに問いかけました。

    このトピには、様々なアドバイスやアイデアが寄せられました。

    カビが生えても捨てないで


    ぬか床に手を入れてかき混ぜた時の楽しさ、心地よさに癒やされるという「匿名」さん。自己流でぬか床を作ってきましたが、最近は、スーパーから買ってきたぬか床がこれまでで一番おいしく感じたそうです。今は冷蔵庫で保管。専用の手袋をしてかき混ぜるようにしたら、味が酸っぱくなることも、白カビが出ることもなくなったと言います。

    保存場所に冷蔵庫を選んでいる人は多いようです。

    「こりん」さんは義母から教わった通り、ぬか床を冷蔵庫に保存しています。「パウチに入ったぬか床は、簡単にもみもみできるのでお勧めです」とコメントしました。

    「みるく」さんも冷蔵庫の野菜室を愛用。「漬かりは遅くなりますが、4、5日放っておいても大丈夫です。ずぼらな私にぴったりです」と書き込みました。

    古漬けや、定番の野菜以外のぬか漬けの食べ方も寄せられました。「古漬けは、細めに切って水に数分さらし、水気を切ったら千切りショウガとミョウガ、カツオ節をたっぷり加えて混ぜます。ごはんにとてもよく合います」(「みか」さん)、「うずらのゆで卵、チーズ、魚(青魚がお薦め)、厚めの魚と肉はぬかを取り出し、別容器で漬けています。先ほどはアボカドを入れました」(「こりん」さん)。

    「べこ」さんは、「カビはすくい取って捨てれば、あとは普通に使えます。ぬかを随時補給しないとぬか床は弱りますよ。過保護も良くないけれど最低1日1回は天地を入れ替えるように混ぜますよね。状態がわかるでしょ。温度が上がっているとか、水分が多すぎるとか感じたら、ぬかと塩を補給して、休ませることも私はあります」と、ぬか床にカビが生えたときの“救済法”を伝授しました。

    冷蔵庫の入れっぱなしに注意

    ぬか漬け(山田さん提供)
    ぬか漬けの専門家「ぬか漬けの基本 はじめる、続ける。」などの著書がある、薬膳・発酵料理家で国際中医薬膳師の山田奈美さんに聞きました。

    <手入れ法>
    ぬか床は生き物です。冷蔵庫の中で管理しても構いませんが、ぬか床の乳酸菌が活動しやすい温度は、20度から25度です。ずっと入れっぱなしにしていると、乳酸菌の活動が弱くなり、発酵の速度も遅くなります。冷蔵庫で管理するのならば、毎日かき混ぜなくてもよいのですが、ときどき常温にします。

    例えば、夏の暑い日は、日中は冷蔵庫で保存し、夜は冷蔵庫内から出して常温に戻します。こうすることで乳酸菌が活動しやすくなります。

    乳酸菌は高温(40度以上)には弱いのですが、温度変化には強いです。基本のお手入れは、天と地を入れ替えるようにかき混ぜることです。イメージとしては、ぬかの下の方にある酸素が嫌いな酪酸菌を表面に出し、表面の酸素が好きな産膜酵母を下に押し込みます。あとは塩分と水分の管理も重要です。おいしいと思うときのぬか床を食べてみて、塩分量などを確かめてみるといいかと思います。水分は、ぬかを手でにぎった時に、指の間からしたたるぐらいが適量で、少ないと発酵が悪くなり、多いと過発酵になります。

    青梅、山椒の実などは殺菌や香りづけに、ニンニク、ショウガ、鷹の爪も殺菌や風味づけに役立ちます。

    <ぬか漬けを飽きずに食べられる変わり種>
    新タマネギ、新ジャガイモ、アボカド、フルーツ(柿やリンゴなど硬めのもの)、チーズ、ゆで卵、豆腐などでも、ぬか漬けを作ることができます。肉や魚介類をぬか漬けにしてみるのもお勧めです。山田さんは、「肉や魚介類のぬか漬けは、焼くと香ばしくておいしいですよ」と話します(※ぬかは生食用と分ける)。

    夏場は、特に温度管理に注意することが重要のようです。定番の野菜に飽きたら、いろいろ試してみるのも楽しそうですね。
    (読売新聞メディア局 遠山留美)
    『ぬか漬けの基本 はじめる、続ける。』