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    ゲームに2か月で40万円も使った夫、あなたなら許せますか

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    スマートフォンなどでゲームを楽しむ人は少なくありませんが、徹夜するほど夢中になったり、いつの間にか多額の課金アイテムを買い集めてしまったりして、家族とトラブルになる人もいます。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、夫がゲームに2か月で40万円も使っていたという妻からの相談が寄せられています。ゲームにはまってしまうのはなぜなのでしょうか。どんな対策ができるのかを調べてみました。

    2か月で40万円!

    写真はイメージ
    トピ主「さらさ」さんは、結婚1年。月収30万円の夫が、この春、1か月間に10万円、その翌月には30万円、合わせて40万円もゲームに課金していたことが発覚。自分は欲しいものも我慢して節約をしていた矢先、1か月分の生活費を使い果たした夫に怒りを覚え、離婚も考えるようになりました。「皆さんなら許せますか? もし許すとしたら条件はどのようなものにしますか?」と発言小町に問いかけました。

    これに対して、約60件の反響(レス)がありました。

    携帯の解約や依存症の治療など、速やかな対処を!

    「エス」さんは「携帯を解約しましょう」とアドバイスします。「仕事に必要なのであれば、最低限の機能のものにしてゲームが出来ない契約や端末を検討してください」「子供用の端末などでもゲームに向かないタイプがあります。通信容量は最小限に」と、子供向け携帯への機種変更を勧めています。

    「かぜのたみ」さんは「ペアレンタルコントロール」という、親が子供のスマホを監視し、課金や危険サイトへのアクセスを防ぐシステムの導入を提案しました。ほかにも「クレジットカードを解約させる」「銀行口座のキャッシュカードを没収する」など、物理的に課金を防ぐコメントが目立ちます。

    「依存症専門医の受診と通院治療が必須でしょう」と書いたのは「果実の森の住民」さん。「本人の自覚と治療の意志がなければ治療は不可能。そういった観点から話し合いを」と書き込みました。「うら」さんは「ギャンブル依存度チェックというものを目の前でやらせましょう」と書き込みました。ギャンブル依存症の疑いがあるようなら、医療機関や支援機関と連携して、対策を立てます。「依存の事実を認め、断ち切る姿勢があるかどうかを隣で見極めてから先のことをもう一度話し合ってみてはどうでしょう」と強調します。

    経験者は語る……

    経験者からは生々しい体験談も。月何万円も課金した経験がある「次郎長」さんは、「ゲームアプリに終着点はありません」とバッサリ。ゲームには次々と新たなキャラクターやアイテムが登場します。「私もそうでしたが、現時点で旦那さんが満足していても、今以上に強いキャラクターや装備が登場すると、おそらく課金を繰り返してしまうと思います」と分析します。「次郎長」さんの場合は、自然とゲームに飽きて、以来ゲームをやめたそうですが、「いきなり押さえ付ければどこかで必ず反発します」と心配しています。

    独身時代、1日で8万円課金した経験のある「木を隠すなら森」さんからは、こんな意見も寄せられました。「スマホのゲームガチャは、巧妙に催促してきて、親指の操作だけで数秒で何万円も消え、物質的に残るものはなし」と言います。しかし、当時を振り返ると、「SNS上のゲーム友達は、自虐っぽく『○万円溶けた』と楽しそうに開き直っていました。(そういう姿を)毎日見ていると、(自分も)それが普通の感覚になっていました」。その経験から、「一度、ご主人のSNS関係を全部チェックしてはいかがでしょうか」と提案。友人との関係を見直し、根源を絶つべく、夫婦で話し合うことを勧めます。

    物理的に距離を保って

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    ゲームの課金とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。「節ネット、はじめました。」(CCCメディアハウス)という著書もあるライターの石徹白未亜(いとしろ・みあ)さんは、「物理的に課金へ制約をかけるのが一番早い」と言います。「ペアレンタルコントロールや課金額の設定などで、課金したくてもできない状態を作ったうえで、ゲームに関連する情報から離れることをおすすめします」と話します。

    特にSNSの誘惑は大きいため、ゲームに関連する投稿を表示しない設定にしたうえで、SNSの画面もなるべく開かないようにします。「ゲームは面白く、魅力的に作ってあるもの。まず物理的に距離を保って、意識しないようにします」と呼びかけます。ゲーム以外に夢中になれることがないから、ゲームにはまってしまっている点もあると思うので、短い時間でもゲーム以外のことを始めてみるのもおすすめです。

    ただ今回の相談のように、家庭生活に多大な影響を与えている場合はあまり悠長なことは言っていられません。ゲームに給料をすべてつぎ込んだり、借金したりしている場合は、個人や家庭で何とかできるレベルを超えていて、専門的な治療を検討したほうがよいかもしれません。

    治療に加え、自助グループに参加するという選択肢もあります。「コロナで自助会のオンライン開催が増えているので、地方にいても参加できるケースもあります。本人が参加するのが一番ですが、依存症の家族も参加できる自助会もあるので、探して参加してほしいですね」と石徹白さん。

    一方で、石徹白さんは「今回のケースは問題外ですが、お小遣いの範囲などであれば、多少の課金は趣味として認めてもよいのかもしれません」と話します。数千円程度の課金であれば飲み会1回分と大差はありません。家族がゲームの楽しさを理解せずに、頭ごなしに否定してしまうと、本人は余計にストレスをためてしまいます。「ゲームをやらない人ほど課金への嫌悪感はありますが、お小遣いを何に使うかはその人の自由です。限度をどう考えるか、話し合っておくことが大切ですね」と石徹白さんは指摘します。

    コロナ禍で増えたおうち時間。ゲームを普通にクリアするだけでは飽き足らず、その道を極めたいと“やり込んで”しまうケースも増えているのかもしれません。家族にも認められるような楽しみ方について、改めて考える必要はありそうです。

    (読売新聞メディア局 原啓一郎)