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    「財産は全て長男へ」娘に伝えたら びっくりマークが9700を超えたワケ

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    親が亡くなったあとの遺産相続は、よく“骨肉の争い”になりかねないと言われますが、介護の問題が絡むとさらに厄介なものになるようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、親から「財産は全て長男へ」と遺産相続の方針を伝えたら、介護を担ってきた娘の方が寄り付かなくなったという投稿がありました。何が問題だったのでしょうか。専門家に聞いてみました。

    「家の名義は、自分と長男の半分ずつ」だから「全て長男へ」

    イメージです
    トピ主の「ミーコ」さんは、東京都内に住む60代の女性。2年前に夫は脳梗塞(こうそく)で倒れ、要介護状態に。最近、自分も大腿(だいたい)骨を手術して足が不自由になり、近くに住む長女が1日おきに実家に来ては、病院の送迎や家事をしてくれたと言います。

    「ミーコ」さん夫婦には、もう一人、子どもがいます。車で1時間離れたところに住む長男です。でも、仕事の関係で、そう頻繁に実家に来ることはできないそう。しかし、トピ主さん夫婦が現在暮らす家の名義が夫と長男の両方になっていることもあって、夫婦では将来の遺産相続について「財産は全て長男へ」と考えているそうです。

    夫が長女に「家の名義は、自分と長男の半分ずつになっている。自分の死後、財産は全て長男に任せたい。そのつもりでいるように」と告げたところ、長女が実家を訪れる回数が減ってしまったそう。「買い物を頼んでも買った物を置くと、すぐに帰ってしまいます。病院の送迎を頼んでも『忙しい』と断られます」として、「親思いの優しい娘だと思っていましたが、娘は財産が欲しかったのでしょうか。とても悲しくなります」と続きます。

    このトピには、270件近いレス(反響)が寄せられ、9700件を超える「びっくりマーク」も付きました。

    きょうだい間で愛情に差!?

    「きょうだい間で差を付けるなんて」とトピ主さん夫婦を批判する意見が目立ちます。

    「ある意味、下手すぎ!」と書いたのは、「あかんあかん」さん。「娘さんは財産など当てにしていなかった。でも、親からあえてそんな宣言をされると、『お前は世話をしろ。財産はやらんけど』としか聞こえないんですよ。わざわざ人の神経を逆なでする夫! 同じ女なのに、娘さんの気持ちが分からず自分のことばっかりのあなた!」と言い切ります。

    「今は令和ですよ? 家督相続の時代は終わってます。遺産を期待しているわけではないけど、実家に通っていた娘の立場は?? 逆に日々面倒をみている娘に多く残すべきじゃないですか? 改めない限りいずれ(娘さんは)顔を見せにも来なくなりますよ」(「にゃんにゃん」さん)。

    「よくもまあ、『娘は財産が欲しかったのでしょうか』なんて言えますね。遺産は長男へ、でも介護や手伝いは娘に頼みたいなんて、人の気持ちをなんだと思っているのでしょうか。娘さんは買い物を手伝ってくれるだけでも素晴らしい方だと思います。私も遺産が欲しいわけではないけど、親がそう言ったら疎遠にします」(「りん」さん)。

    「私も介護中ですが」と書いたのは、「しずく」さん。「相続など頭に入れず献身をもって介護していますが、もし、あなたには何もあげないよと言われたら、心が折れるでしょうね。お金がほしいのではありません。きょうだいと愛情に差があって、何もしない別のきょうだいに愛情が偏っていると認識し、自分の立ち位置を自覚するからです。そんな親のために無理に時間と労力と愛情を拠出して、まだ頑張らないとならないのかと思うと心が折れますね。それなら、愛情をかけられている人が介護したらいいと思ってしまいます」。

    みなさん、自分の身に重ね合わせて、さまざまな感想を書き込んでいます。

    介護を担う人に手厚くするには

    トピ主さん夫婦の話。何が問題だったのでしょうか。NPO法人「相続アドバイザー協議会」の理事長、平井利明さんに聞きました。同協議会は、相続について横断的な知識を持つ相続アドバイザーの育成機関として活動している団体で、土地家屋調査士、司法書士、税理士、不動産業など様々な異業種の人たちが参加しています。平井さんは、昨年3月末まで15年間にわたって、東京・立川市の社会福祉協議会で約600件の相続の相談に乗ってきました。その経験から「高齢化社会で介護の問題は避けて通ることができません。介護に伴う相続の問題も、親が考えておくべきことなんです」と強調します。

    人が亡くなると相続が発生し、亡くなった人(被相続人)の財産や義務を法定相続人が引き継ぐことになります。この法定相続人になることができるのは、被相続人の配偶者と子ども(先に死亡の場合は孫)、配偶者や子どもがいない場合は親または兄弟姉妹です。子どもが1人のときは大きな問題はありませんが、複数いた場合は、きょうだい間では平等に分けることが原則になります。平井さんによると、「なぜ投稿されたご夫婦が長男さんにだけ財産を残したいと考えているか真意は不明なので、何とも言えませんが、相続争いが起きやすいのは、ほとんどの場合、きょうだい間の『多い、少ない』ですね。でも、現金など分割しやすい財産も、家や土地など分割しにくい財産もあります。『平等に』と親がいくら思っても、もらう側の子どもたちからは戸惑いや不満が出ることもあります。争いになれば互いを傷つけ合って、縁を切るということにもなりかねません。財産を残す側の親は、『こんな風にしたい』と子どもたちに話しておき、それを形(生前贈与や遺言書など)にしておくほうがいいと思います」とアドバイスします。

    とくに介護の必要が出てきたとき、次のポイントを心がけると良いそうです。

    <1> 介護を担っている人について『よくやってくれている』ということを、親がほかの子どもたちに話しておくこと
    <2> 介護を担っている人について手厚く財産がわたるように遺言書を残しておくこと
    <3> 介護を担っている人に生前贈与すること(贈与税がかからない年間の生前贈与の上限金額は110万円ですが、時間を味方につけて、財産をわたします)
    <4> 介護を担っていない子どもにも実家に戻ってきた際、ほんの少しでも介護体験をしてもらうこと

    ……などです。

    2019年の民法改正で、介護を担ってきた相続人の親族、例えば「長男の妻」にも、金銭請求権が認められましたが、長男の妻は法定相続人ではないので、遺産分割に参加する権利はありません。それを補う意味でも、相続については親が亡くなる前からある程度の知識を持って、考え方を合わせておいたほうがいいと言います。

    写真はイメージです
    「旧民法では、(長男が全てを相続する)家督相続が定められていましたが、その民法も改正され、今は子ども同士で平等と定められています。また、女の子だから老後の生活の面倒を見てくれるだろうとか、そういう時代でもありません。男の子だ、女の子だ、という以上に、介護の必要が出てきた場合は、その同居家族の負担だけが重くなる傾向もあるので、半日でも1日でもいいから、ほかのきょうだいにも介護体験を通して大変さを実感してもらう機会があると良いと思います」と平井さん。

    「平等」より「公平」に

    そして、いざ相続となったときには、介護など大きな負担を担ってきた子どもが、多めに財産をもらう「公平」の考え方で、それぞれの実態に合わせることがとても大切になるそうです。

    「法律上の『平等』一辺倒ではなく、『公平』という考え方で臨めば、円満な相続、きょうだいの間で互いに思いやりをもつ『心の相続』の実現につながります。そのためにも、親の側は子どもたちが争わないように、できることは早めに実行に移すことをお勧めします」と平井さんは強調します。

    多くの反響があった投稿。トピ主さんの追記がないことだけは少し残念ですが、人生終盤に向けて、考え方を整理していくことも大切なのかもしれませんね。
    (読売新聞メディア局 永原香代子)


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