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    「テレビの音がうるさい」高齢母に近所から苦情の手紙

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    高齢になって聴力が衰えた結果、本人も気づかないうちにテレビが大音量になってしまうケースは少なくないようです。読売新聞の運営する掲示板サイト「発言小町」には、高齢の母親のもとに「テレビの音がうるさい」という苦情の手紙が来てしまった、という投稿がありました。騒音トラブルを防ぐために、何かできる対策はあるのでしょうか。専門家に聞いてみました。

    ある日ポストに苦情の手紙が…


    トピ主「秋色は風」さんには、一人暮らしをしている80歳代の母親がいます。月に数回、実家を訪れては家事の手伝いをしているのですが、母親の家のポストにある日、「テレビの音がうるさいので何とかしてほしい」という内容の手紙が入っていました。手紙はパソコンで書かれたらしく、筆跡もわからなければ差出人の名前もありません。その日からテレビを見るときは窓を閉めて、音量を下げるようにしました。しかし、その2週間後に同じように「対策を取っていただけないようなので法的手段に訴えます」と手紙が入ったというのです。

    「両隣は昔からおつきあいのある方たちなので、手紙を書くとは思えません。最近、実家の前に建てられたマンションの住人の可能性が高いです。でも、そのマンションと実家とは幅10メートルくらいの道をはさんでいるんです。これ以上、何をすればよいのか、母も私も途方に暮れています」と「発言小町」に書き込みました。

    この投稿に、60件以上の反響(レス)が寄せられました。無記名の手紙が2度もポストに入れられたということで、心配する声が多数ありました。

    「『法的手段』なんて勇ましいことを言うのならば、どこに住む誰かを記名するべきです」とコメントしたのは、「ブロッコリー」さん。ふだん実家に日帰りしているなら、何日か実家に滞在して様子を見て、テレビの音がどうなっているかを確認してみたほうがいいと指摘します。

    「騒音の感じ方には非常に個人差があります。法的手段に訴えるとはどういうことかわかりませんが、自分の名も明かさず法的措置をとることはできないと思います。法的手段という言葉にびびらないで、まずは近隣の方におわびとご挨拶を兼ねて騒音被害がどれくらいか聞いて回られてはいかがでしょうか」とアドバイスしたのは、「ろーるパン」さん。

    「自治体の防災無線か」「うちの実家でも大音量だった」など


    高齢世帯から聞こえるテレビの大きな音に悩んでいる人もいました。

    「うちも、2階下のおばあちゃんの大音量に参っています。朝6時からテレビの大音量で起こされます。平日働いている身ですので、せめて土日はゆっくり寝たいのですが絶対無理です。うちに泊まった友人が、自治体の防災無線かと思った!ってビックリしてました」と書いたのは、「あられ」さん。

    「道を挟んだ斜めお向かいに住んでたおばあちゃんが、ものすごい大音量でテレビをつけてたようで、警察が来たことがありました」と書いたのは、「ぱるる」さん。ドラマを見ていたのか、「やめてくれ!」「ぎゃあ~~~!」など、仲間同士がけんかしている音声が流れたのがきっかけだったそうです。「誤解を生みます。ご近所さんはドキドキしてます。お願いですからボリューム下げて、窓開けないで」と続けます。

    「切ない」さんからは、「実家に行ったとき、実家まで相当離れていたのにテレビの音が聞こえてきました。原因が実家のテレビからだったのにビックリ。母に注意したものの、逆に『仕方ないでしょ? 聞こえないんだから』と怒られました。補聴器は雑音がして嫌だと着けないし……」。対策として、テレビの音を手元に飛ばせるスピーカーを購入したところ、「ずいぶんましになった」そうです。

    ご近所との騒音トラブル。防ぐには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

    「マンションの『音のトラブル』を解決する本」(あさ出版)の著書もある日本大学名誉教授の井上勝夫さんに聞きました。井上さんは、建築音環境学を専門とする研究者で、大学教育に携わる一方、日本建築学会の遮音性能基準の作成などに従事し、音の紛争問題にも詳しい音響の専門家です。

    井上さんによると、高齢者と若者とでは、聞こえる音の感度に違いがあります。高齢者が苦手なのは、高音にあたる、およそ1000ヘルツ程度以上の高周波数の音。テレビでは人の音声や音楽が放送されていますが、高齢者ほど高音部分が聞き取りづらくなっているので、知らず知らずのうちにテレビの音量全体を上げてしまうというケースが多いのだそうです。「加齢による 閾値 ( いきち  上昇とも言います。ご自身では気づきにくい変化だけに、テレビがご近所の騒音の音源になっていないかどうかを時々チェックする必要はあるでしょうね」と井上さんは話します。

    近所迷惑にならないためには、テレビの音量を下げること、窓の遮音性能を上げること、テレビの位置を変えることなどがあります。レスにもありますが、井上さんの一番のオススメは、肩掛け式などのウェアラブルスピーカーや手元スピーカーの活用です。

    ウェアラブルスピーカーや手元スピーカーの利点


    「テレビの音は空気を振動させて伝わる空気音です。テレビの音量を下げて、部屋の音源パワーを低減するのが一番なんです。聞き取りにくくなったら、音量を上げずに、自分がテレビの近くに行けばいいんです。でも、あまり近くに行っては、今度は画面が見えにくくなる。その点、音源を耳元に持ってくるスピーカーは役立つと思いますよ。最近はBluetoothでつなぐタイプのものもありますし、メーカーの中には、テレビの付属機器としてスピーカーをカタログに掲載しているところもあるので、探してみると良いと思いますよ」と井上さん。

    また、窓の遮音性能を上げるには、二重窓にしたり、ガラスを厚いものに変え、気密性を高めたりといった対策も効果的です。テレビを置く部屋も、広い開口部があるリビングよりは窓の小さい部屋のほうが遮音性能は高まりますし、和室のように畳やふすまなどの吸音性の高い材料で仕上げられていた方が、吸音効果として室内の音のレベルは低下します。

    「音の特性や伝わり方を理解し、加齢に伴う音の感じ方の変化を知ることで、まずは自分が騒音トラブルの加害者にならないということを心がけてほしいですね。クレームが来たら、音の出どころを特定して、何らかの対策を立てること。いろいろと努力すると、いざ訴訟となったときでも、客観的な評価は違ってきます」と話します。

    レスの中には、「階下のテレビ音に長年悩まされています。一度気になるとどんな小さな音でも拾ってしまうようになります。もうそこにしか注意が行かなくなってしまうんです。よほど気をつけないと気持ちは収まらないと思います」(「るんた」さん)と自身の被害体験をつづる声もありました。いろいろな思いがうずまく近所との騒音トラブル。何とか早めに解決できるといいですね。

    (読売新聞メディア局 永原香代子)

    【紹介するトピ】

    【プロフィル】
    井上勝夫(いのうえ・かつお)
    1950年埼玉県生まれ。日本大学名誉教授。1級建築士。専門は建築環境工学の音・振動環境学。防災住宅の設計や住宅の音に関する紛争予防と早期解決、居住者反応と満足度の評価に関する研究などを行っている。近著に『マンションの「音のトラブル」を解決する本』(あさ出版)。


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