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    小町拝見

    育児の孤立を生む空気…犬山紙子

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     「正解は一つじゃない 子育てする動物たち」(東京大学出版会)という本を読みました。動物行動学の研究者たちが人間を含めた様々な動物の子育てを紹介したものです。それぞれ遺伝子を残すため、種にあった最適な方法で子育てをするわけですが、その方法は多様。母親がワンオペのオランウータンや、父親がワンオペのトゲウオ、オスメス平等のペンギン……そしてたくさんの人たち、社会の中で子育てをするヒト。

     「三つ子育児しながらの共働き。疲れすぎて死んでしまいたい」というトピはタイトル自体がSOSになっています。実家に頼れない中、5歳の三つ子と2歳の子を共働きしながら育てているそうです。お子さんには笑顔で接しても、追い詰められて死にたくなる。でも「なぜそんなに産んだの? 計画性がないんじゃない?」と責められるのが怖くて誰にも言えない。

     まさに孤立です。家族がいても、そのつらさを吐露して、SOSを出せなければ孤立します。それは想像以上につらいものです。

     前述の通り、ヒトは社会で子育てをする生き物です。一人だけ、また夫婦だけでは無理。心が追い詰められているのはその証しです。まずは心療内科、そして行政、社会に頼ってほしい。自分を責めず、誰かに頼り、つらさを吐露してほしい。そして、誰かがきっちり傾聴してほしい。

     そう言われても抵抗がある人は多いと思います。それはまさに私たちが生み出す空気のせいでしょう。親なんだから子育てできて当たり前、誰かに迷惑をかけちゃいけないという空気。

     私たちは実態を知るべきだし、行政はもっと利用しやすい仕組みに変わるべきです。周りにできることの一つに、こうやって声をあげることがあると思うのです。

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