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    【トピ探訪】小鳥のカップルの心変わりに悩む飼い主、気持ちをどう切り替えればいい?

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    文・写真 エッセイスト メレ山メレ子
     

    トピのタイトルだけ見て「出た!ひどい飼い主案件!」と怒りに震えてはいけません。長年小鳥を大事に飼ってきた人が、ふとしたことで複雑な思いを抱くようになってしまったエピソードです。

    つがいのインコと4羽の子、合計6羽を飼っているトピ主。そのつがいのメスの方が心変わりして、元夫から息子の一羽に乗り換えてしまいました。これまでインコはたくさん飼ってきたが、死別しない限りは終生つがいを変えない個体ばかりだったので、予想できなかった事態にショックを受けている。元夫は今も妻のことが大好きで、時々邪険にされているのが 不憫 ( ふびん ) 

    今も飼育上の差別はしていないし、ケージを分けなかった自分の飼い方に原因があったと反省している。が、少々憎たらしいという気持ちが消えない……。「これまで通り可愛(かわい)いと思えるようになりたいので考え方を変える視点でのコメントを頂きたいです」とのこと。

    愛が大きすぎて、ろくな写真を撮らせてくれない猫
    人と情愛を交わせる愛玩動物、人類にとってまさに奇跡的な存在だなと常々思っています。
    先日も空き地にたたずんでいた猫に「ニャー」とあいさつしたら「オッ、お前……ワシのことが好きなんか?」という顔をして寄ってきて、無限に()でを要求。「もう行くね」と立ち去ろうとすると、さらに甘え鳴きしながら数十メートル追いすがられました。

    ( うれ ) しい反面、自分から見たら巨人みたいな他種族に「ワシのことが可愛くてたまらないはず」という自信を持って迫れる猫という生き物に、あらためて畏怖を感じます。そのコミュ力が恐ろしい。

    特に小鳥には、あの小さな体にこんなに大きな愛や嫉妬が詰まっているのか……?!と驚かされます。わたしは飼ったことがないのでSNSで飼い主さんの投稿を見ているだけですが。好物を食べたあとに喜びの歌をひとふし歌ったり、飼い主に触れと要求したり(文鳥愛好家の間では「握り文鳥」という言葉もあります)、遊びの時間が足りないと狂暴になったり、なんて感情豊かなのか。

    細やかなコミュニケーションができるということは、その分感情移入もしやすいわけです。結果として、まるで人間に抱くような「この子とは合わない」という気持ちが芽生えることもありうるのか……と、今回のトピには考えこんでしまいました。

    前提として、人間の倫理観でペットにどうこう言うのはナンセンスです。ペットを飼うというエゴを通す以上は、責任を持って一生愛する必要があります。そのことは飼い主も重々分かっているから、考え方を変えられないかと悩んでいるわけですね。

    話の通じない生き物の良さもある……それでも感情移入してしまうのが人の業


    人間だろうが鳥だろうが心変わりくらいするだろう、と思うので、このお悩みには共感できません。一方で、自分が過敏になってしまう別のポイントはあるような気がします。

    虫の本を書きながら取材を続けていたある日、ゲンゴロウをつがいでいただいたんです。「繁殖に挑戦するといいですよ!」とすすめられて、なるほどそういうものか!と思ったのですが。同じ水槽に入れてみると、とにかくずっとオスが交尾を迫っているんです。水槽のそばを通るたび、いつ見てもメスのうしろにくっついている。

    だんだん腹が立ってきて「もう繁殖しなくていい!メスが幸せ(?)に過ごせるなら!」と仕切りを入れて別居させてしまいました。

    飼い主の独断で別居させたゲンゴロウ
    「既婚女性よりも独身女性の幸福度が高い」みたいな調査結果の報道を連想しました。メスのゲンゴロウも子孫を残したかったかもしれませんが、(オスの行動が)見るに堪えないと感じたのは、結婚と繁殖にそもそも懐疑的な人生観によるところが大きい。

    最初にこのトピを読んだときは「人間の倫理観をペットに反映するなんてひどい」と思ってしまいましたが、飼い主の倫理観を飼育に反映させず、ペットの幸せのみをフラットに考えて飼うというのは、やっぱり難しいことなんでしょうね……。

    あとからちゃんと調べたところ、ゲンゴロウって幼虫も肉食かつ共食いをするので、育てるのはとんでもなく大変らしい。飼い主の幸福のためにも、 ( ) やさなくてよかったです。

    高度な感情移入ができる生き物ならではの副作用?


    それと、このトピを取り上げると決めたとき、「話の通じそうな生き物を飼うことで過度に感情移入してしまうのなら、話の通じない生き物と触れ合ってバランスを取ってみては?」と提言しようかと思ったんです。

    実際にコーンスネークというヘビを飼っている友人にこのトピを見せたところ、「たとえ浮気に見えたとしても、気持ちの通じる賢いペットはいいなあ」と言っていました。両生類や 爬虫 ( はちゅう ) 類というのは、犬猫のように懐くという概念がほぼありません(カメなどは、膝にのせないとエサを食べないなんてこともあるようです。何それかわいい)。「いかに関係を築くか」というよりは「いかに邪魔をせず、ストレスを与えずに快適に過ごしていただくか」が主眼の飼育になります。

    一方で「話が通じないのがいい、人間に近くないからこそいい」という感覚も、昆虫や爬虫類好きの界隈(かいわい)には確実にあると思います。

    いきなり飼うのはハードルが高くても、山や磯で観察をしてみるとか。わたしはシュノーケリングで魚のたくさんいる海に潜ると「うわ~、こいつらみんな話が通じなさそう~!」とワクワクします。

    そういう感覚をつかむと、小鳥に対してもまた別の視点が得られるかも……と最初は考えたのですが、話の通じなさそうな生き物を飼っている人たちもそれはそれで感情移入はしているんですよね。わたしがゲンゴロウのメスに自分の信条を投影してしまうのもそうですし、ヘビ飼いの友人もカタツムリ飼いの友人も、犬や猫に対するようにデレデレに話しかけているそうです。

    以前に虫のイベントで、マダガスカルオオゴキブリの巣をガラス越しに観察できる展示をしていただいたことがあります。設置してくださった方は「オスは穴の出口に近いところで外敵が来ないか見張っているんですよ~!夫婦愛を感じますね!」と嬉しそうに話していました。

    「感情表現が豊かな生き物をペットにするかどうか」の問題ではなく、結局は「人間とは木石にも感情移入してしまう謎の生き物」というだけなのかも。そんな不思議な習性を自覚しつつ、ペットが幸せに暮らせるように理性で軌道修正していくしかないのかもしれません。 

    ◇ ◇ ◇

    【トピ探訪】は、発言小町に日々寄せられるトピの中から共感できるトピや展開が気になるトピを取り上げるエッセーです。 

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