詳細検索

    相続放棄で妻が激怒した理由とは?一次相続で考えておきたいこと

    Twitterでシェア facebookでシェア LINEでシェア はてなブログでシェア
    父や母のどちらかが亡くなって遺産相続が必要になったとき、まず念頭に置くべきは何なのでしょうか。初めて経験することだけに、迷う人も少なくないようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「相続放棄で妻と揉めています」というタイトルの投稿が寄せられ、4600を超える「びっくり」マークが押されています。相続に詳しい専門家に聞きました。

    イメージです

    トピ主「おーさん」さんは、50代の男性。数か月前、実家の父が亡くなり、預金約1500万円、母と独身の弟が暮らす家(1200万円相当)の遺産について、相続を放棄しました。これがきっかけとなり、妻とうまくいかなくなったと言います。遺産分割の協議を行ったとき、母親は「(自分が死んだら)またお金がかかるのも、もったいないから弟に相続させたい」という意向で、トピ主さんはその場で自分の放棄を了承。家は弟名義に、預金は母親名義に、と決めました。

    自宅に戻ってから、その話を妻に伝えたところ、「なぜ兄弟間で差をつけるのか」ととても怒られたそうです。弟は数年前に遊ぶ金ほしさに300万円ほど借金をしていたことがあり、働いた給料も家に入れず、「少し(お金に)だらしない所がある」そう。妻から「お母さんが全部相続した方がいい」「お金で何かこちらに迷惑がかかるような事があれば『迷惑かけず離婚する』と一筆書いてほしい」と強く言われたトピ主さん。「これはそんなに怒る事でしょうか? アドバイスを頂けたら」と発言小町に書き込みました。

    この投稿には400件を超える反響(レス)もありました。妻の気持ちを代弁する人が目立ちます。

    借金癖のある弟の名義で大丈夫?

    「男性って優しい人が多いですよね」と書いたのは、「わーまま」さん。「兄弟差別があったとしても 、『俺は長男だ』とか言っちゃって、不利な状況も『お兄ちゃんだから』と我慢する。それが自分の夫なら悔しくてたまらないという気持ちはわかります」と言います。

    「弟さんは実家を相続しても、固定資産税も払わない。水道光熱費も、食費もお母さん持ちなのでは?」と指摘したのは、「きょうだい差」さん。「その結果、預貯金は減っていってお母さんの介護が必要になった時にサービスの良い施設に入ることもままならず、弟では対応できず、奥様に負担がくる……ってことにならないかな。介護は実子ですよ? あなたがやるのですよ?」とたたみかけます。

    「tamaki」さんからも、「借金癖のある家にお金も入れない弟に家を相続なんてさせたら、お母さんの現金が残るどころか家なんて売り払われて残りませんよ。トピ主さんがごねようがお母さんの行き場がなくなろうが名義は弟さんなんですからね。10年後どうなってると思います? トピ主さんとお母さんの老々介護ですよ」と厳しい意見が寄せられました。

    「お母様が相続した現金なんて、いくら残ると思います? たぶんなくなるよ、残らないどころか足りないかも。奥さんは相続放棄した事を怒ってるのではなくて、お母さんの生活が立ち行かなくなることを心配してるんですよ」(「四槓子」さん)という書き込みもありました。

    妻に口を出す権利はない

    逆に、「妻の感情を重視する人も多いようですが、そんなこと相手にしていたら“法律”の意味がなくなります。妻に夫側の相続に口出す権利はないんです。夫の相続内容に対し、妻が気に入らなくても何の関係もないどうでもいいことです」(「テスト」さん)とコメントする人もいました。

    こうした相続の問題について、行政書士・CFP(日本FP協会認定)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格を持ち、司法書士や弁護士、不動産鑑定士と連携して総合的に相談に乗っている税理士の栗山貴志さん(栗山貴志税理士事務所=東京・港区=代表)に聞きました。

    栗山さんは、「相続トラブルの根底には、兄弟などでの不公平感があることが多いです。この投稿者の場合は、気持ちよく、協議の場を終えるところまでは良かったのです。ただ、どこに力点を置けばいいのかを間違えてしまったのかもしれませんね」と話します。

    子に残してやる…の前に

    今回のケースで遺産の総額は、家の価値合わせて約2700万円。相続税の基礎控除額は、次の数式で決められており、「相続税がかからない金額です。こんなとき、まず第一に考えなくてはならなかったのは、残されたお母様の今後の生活費、医療費、介護費などだったはず。子どもに残してやる、という感覚は捨てても良かったのでは」と栗山さん。

    相続税の基礎控除額 3000万円+600万円×法定相続人の数 

    法定通りの相続では、<母親50%、兄25%、弟25%>の割合で、相続することになりますが、兄と弟が二人そろって相続を放棄すれば、母親100%も可能です。

    「投稿中に、家の名義変更の手数料として『1回に100万円もかかる』と出てくるのですが、正直言って、名義変更だけではなく、何かしらほかの手数料も含まれているのでは?と思いました。登録免許税は、課税価格の0.4%ですから、1000万円の家で4万円。ほかに手数料や印紙代もありますが、そんなにはかからないはずです」と栗山さん。つまり、トピ主さんの母親が言った「(自分が死んだら)またお金がかかるのも、もったいない」という母親の言い分は、家の名義を弟にしたいための方便とも読むことができるというのです。

    「安易に感情論に乗ってしまうことなく、10年、20年、30年後を想定しながら、二次相続のことまで見据えた一次相続を行うべきなんです」と栗山さんはアドバイスします。

    栗山さんによると、両親の片方が亡くなったときの相続を「一次相続」、両方が亡くなったときを「二次相続」として、どのような相続の仕方をすれば相続税の総額が少なくて済むか、バランスを考えつつ、答えを出すのが最近の相談のトレンドです。「遺産を子に残してやる親ほど、生前にきちんと大筋を決めておく人が多いです。遺産分割協議の場に、相続人以外の人は同席できません。それぞれの家の事情はあるでしょうが、できるだけ不満の少ない形にもっていけるように、しっかりと話し合うべきです」と話します。

    残される家族の生活がどうなっていくのか。本音で考え合うのが第一歩なのかもしれませんね。

    (読売新聞メディア局 永原香代子)

    【紹介したトピ】

    【あわせて読みたい】

    プロフィル

    こんな関連トピもあります

      その他も見る すべて見る

      アクセス数ランキング

      その他も見る
        その他も見る
        気に入ったトピを保存するといつでも読み返せる
        気に入ったトピを保存するといつでも読み返せる
        使用イメージ
        使用イメージ

        マイページ利用でもっと便利に!

        お気に入り機能を使う ログイン
        レス求!トピ一覧

        注目トピ

          みんなの投票結果

          編集部から

          編集部からのお知らせはありません

          Horoscope | 大手小町

          Twitter

          Follow

          発言小町大賞0