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    高齢の親の運転免許返納、どうやって説得したらいい?

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     高齢ドライバーによる事故が相次ぐ中、自分の親には加害者になってほしくないと、運転免許の返納の話を持ちかける人は少なくありません。しかし、本人が納得せず、なかなか先に進めないケースも多いようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも「87歳の父に困ってます」という投稿がありました。免許返納という解決への糸口をどう見つけていけばいいのか。専門家に聞いてみました。

    返納に応じず、けんかに

     トピ主の「晴」さんは、東京都内に住む50歳代。地方に住む87歳の父親は、5年前から一人暮らしで、最近では、毎日ソファに座ったままほとんど動かず、足腰も衰えたようでふらつくこともあるそうです。そんな状態を心配して、近くに住む兄夫婦も交えて、これまで何度も運転免許の返納を説得していますが、父親は返納に応じず、しまいにはつかみ合いのけんかになってしまうほど。

     今年、免許更新の年を迎えたため、自動車学校に行って「認知症の検査で引っかかったということにしてくれ」と頼もうとしたところ、すでに父親は検査を受けていて、しかもまったく認知症の心配はないという結果でした。そして、また免許の話になると、検査結果をまるで水戸黄門の印籠のように振りかざし、「俺はまだまだ衰えてない」と主張するのだそうです。

     「しかし、運転は反射神経も鈍っているし危なっかしい。どうしたら車の運転をやめられるのか。車のキーを隠す、バッテリーを外すなどしても、(父親は)すぐに専門業者を呼び対処してしまいます」と「晴」さんは困った様子です。

     発言小町には、90歳代の祖父の運転について、孫の立場から心配する投稿もありました。ハンドルネーム「金のスプーン」さんは、帰省のたびに、90歳代の祖父に免許返上をお願いしていますが、なかなか取り合ってもらえず、「どのように話すと効果的か。お知恵を貸してください」と投稿してきました。

     「金のスプーン」さんの祖父は、祖母の通院やデイサービス、一緒に暮らす60歳の叔母の仕事の送迎などのため、毎日車を運転しているそうです。ところが、祖父の車は、自損事故による擦り傷や、へこみ傷が年々増えている様子。3、4年前から親族の間では、「運転をそろそろやめさせなくては」という話題に上りましたが、いざ直接話してみると「(本人が)逆上してしまい、話にならない」のだそうです。

    運転避けるべき具体的状況を伝える

     NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の事務局長で、「運転寿命を延ばす 50代からの安全運転の心得」(時野学著、幻冬舎メディアコンサルティング)を監修した平塚雅之さんは、「『運転するうえで、何ができなくなったら危険なのか』という指標がはっきりしていないことが、この問題の厄介なところなんです」と指摘します。
    写真はイメージです

     高齢を理由に、いきなり運転免許の返納を切り出されても、「(家族が)保身のためにそうさせたがっているだけ」と感じてしまうケースがあるそうです。まずは、これまで安全運転をしてきたことに感謝の気持ちを伝え、なるべく同じ目線で話をする方が得策。例えば、高齢になると、視力に問題が生じやすいことなどを話し合い、「学童の多い時間帯には、車を運転しないほうがいい」「雨の日は運転しないほうがいい」などと、車の運転を避けた方がいいシチュエーションを具体的に伝えることを平塚さんは勧めます。

     「実際に車に同乗して、運転が荒っぽくなっていないかチェックしてみることも必要です。以前は丁寧な運転だったのに、急ブレーキや急ハンドルを切るようになってないか。『車酔いをしそうだ』『スピードをあと10キロ落として』と言われると、運転者としても酔われては困るので、対応せざるを得ません。『もらい事故もあるので、ドライブレコーダーを付けてみよう』と持ちかけて、客観的なデータを取って話し合いの材料とすることも効果的です」と平塚さん。

     損害保険会社の中には、ドライブレコーダーで安全運転を支援する特約付きの自動車保険を売り出すところも出てきました。定期的に家族に報告書を送信するサービスもあります。任意保険の資料などを取り寄せて、一緒に検討してみるのも良いかもしれません。

     また、高齢者の場合は、長年の“思い込み”が安全運転の妨げになってしまうことも多いそうです。例えば、有料駐車場で料金を支払うとき、ギアは「P(パーキング)」に入れているか。横着して「D(ドライブ)」に入れっぱなしのことはないかなども気を付けて観察するほうがいいそうです。「D」に入れっぱなしだった場合、体をひねった拍子にブレーキとアクセルを踏み違え、車が急発進してしまう可能性もあるためです。各地の指定自動車教習所で実施している「ブラッシュアップ講習」への参加を促してもよいそうです。

     「親が高齢になっても、長く安全に運転し続けてほしいと思ったら、できることはたくさんあります。一方で、危険だと感じたら、理詰めで説得しましょう」と平塚さんはアドバイスします。

     残念ながら即効性のある対策はなかなかないようです。親子げんかに発展してしまうケースもあるでしょうが、高齢者本人の意識が変わるような話しかけ方が大切なことは間違いなさそうです。

    (読売新聞メディア局・永原香代子)

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