「人生百年」と言いますが、私が子どもの頃は、100歳以上の高齢者はまだまだ珍しい存在でした。それが今では約7万人いらっしゃる。1990年代に一世を風靡(ふうび)した理想のご老人「きんさん・ぎんさん」に換算すると約3万5000組。スポーツはもちろん、超売れっ子アーティストがライブをやることでお馴染(なじ)みの、さいたまスーパーアリーナが二つ、きんさん・ぎんさんで満杯になる計算です。
さて、そうなると50代をどう過ごすかが、40代の私にとっては肝になります。2度目の人生をどうスタートさせるか、最近はそればかり考えています。
小町に「アラフィフから新しく何かが変わった方いませんか?」というトピがありました。山間部に住む専業主婦のトピ主さんには持病があるものの、無理のない範囲で人生を変えたいと思っていらっしゃる。
レスを見ると、精神的に自立した女性たちの色とりどりの答えが連なっていました。離婚して初めての一人暮らしをスタートさせた方、再婚した方、運動や語学など趣味に打ち込む方、好きな人ができて綺麗(きれい)になった方。皆さん生き生きとしており大いに感銘を受けます。
50代になると時間に余裕ができるのと同時に、体の不調を感じる方も多いようです。経済的余裕によって楽しめる範囲はさまざまですが、20代の頃にも経験不足や金銭的不自由という足かせがありました。万全の態勢というものは、一生取れないものなのかもしれません。
レスを読み、なにをするにもまずは多少の不調にも負けぬ体力が大事だと感じました。やりたいことが見つかるまで、去年始めた筋トレを粛々と続けようと思います。
ジェーン・スー
作詞家、コラムニスト。1973年、東京都生まれの日本人。「未婚のプロ」を名乗り、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)などの著書が話題に。