詳細検索

    自宅が広すぎるからと「友人に間貸し」、一人暮らしの高齢者を待ち受けるトラブルとは

    Twitterでシェア facebookでシェア LINEでシェア はてなブログでシェア
    増え続ける高齢者の一人暮らし。一軒家などで住まいに余裕がある場合、友人や知り合いへの間貸しを考える人もいます。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「友人に間貸しをする際の取り決め」と題する投稿が寄せられています。自宅の一部を賃貸した場合、どんなトラブルを想定すべきなのでしょうか。専門家に聞いてみました。

    寝室が4部屋、トイレが3か所、風呂が2か所

    写真はイメージです
    トピ主「クロワッサン」さんは70歳代の女性。3年前に夫に先立たれ、一人娘は都会に出て年に数回しか帰省しないため、一軒家で一人暮らしをしています。その家には、寝室が4部屋、トイレが3か所、風呂が2か所あって、そのほかに居間、応接間、台所、ダイニングがあり、日ごろから「一人暮らしには大きすぎる」と思っていたそう。

    年末に、40年来の友人から「うちの子があなたと同じ町に住んでいるんだけど、ちょっと訳ありで……」と相談を受けました。その友人は、子どもの手伝いをするために夏ごろにトピ主の住む町に引っ越す計画ですが、子ども一家はマンション住まいで気兼ねするのではないかと心配。「新しい町に一人で住むのは、心細い。あなたのところを間貸しさせてもらえないか」と話したというのです。

    いろいろな事情を勘案して、その友人からの申し出を受けようと考えたトピ主さん。「後々のトラブルを少しでも回避するべく、『友人に間貸しをする際の取り決め』を事前に話し合っておきたいと思っています」と、次の条件を発言小町に書き込みました。

    <1> ケジメなので、最低限の家賃及び経費を受け取る。

    <2> 3か月ごとに、お互いの間貸しに関する意思の確認、及び経費などを見直し、問題があれば調整する。

    ほかに、迷っている点として、家事や食費の分担方法、自分たち以外の人間を家に招くことなどを挙げ、「どんなささいなことでも、助言をいただけましたら幸いです。よろしくお願いします」として、具体的なアドバイスを求めています。

    この投稿には、170件を超える反響(レス)が寄せられました。

    「乗っ取られますよ」と危険を指摘する声多数

    そのほとんどが「間貸しはやめた方がいいと思います」という意見です。

    「いったん貸しますと、出て行ってほしくても出て行ってもらえなくなったりもするんです」(「いち子」さん)

    「トピ主さんは今まで一人でゆっくりしたペースで暮らしてきたのに、赤の他人と一緒に暮らすことがどれくらい大変か想像がついていないのです」(「今回は匿名で」さん)

    「乗っ取られますよ。そのうち友人の子供家族がトピ主の家に入り込んで出て行かず、年数がたって居住権が発生してしまう未来が見えます」(「変だよ。」さん)

    などです。

    似たケースもあるようです。

    「私の母も同じようなことを考えていました。私は当然反対。母は怒っていましたが、他の人にも『もめるからやめたほうが』とアドバイスされ、やめました」と書いてきたのは「ふらり」さん。「ものがなくなったりすると自分の過失でも疑わなくてはいけなくなります。向こうはお金を払っているからと考え、図々しくなるかもしれませんよ」と続けます。

    「私は70歳の叔母に手を焼いています」というのは、「悩む姪」さん。父親が所有するマンションを15年以上前から母の妹である叔母に貸していると聞いていましたが、数か月前に父親が亡くなり、そのマンションの名義を自分に変えようとしたところ、実は、家賃も管理費も取らず、ときどき生活費の一部まで母が負担していたことがわかったそう。「母が自分の年金のなかでやっていることなので今はそれでもいいんですよ。でも母が亡くなったら、叔母はどうやって生活していくつもり?」と不安を覚えているそうです。

    賃貸契約を結んだ際のトラブルにはどんなものがあるのでしょうか。

    不動産管理会社や不動産オーナーなど約70社と顧問契約を結び、「賃貸トラブル相談所」を開設している南青山法律事務所(東京)の弁護士、渡邊一彰さんに話を聞きました。

    「建物賃貸借契約」と見なされたときのリスク

    渡邊さんは「どんな取り決めをしても当事者の自由ですが、取り決めの内容を書面に残すことは、言った、言わないのトラブルを避けるためにもぜひ実行してほしいですね」と話します。

    一時的な同居や居候ということであれば、共同生活のルールを定めて、それを文面にしておけばよいと考えられますが、プライバシーを確保できるような部屋を与えて、その対価として、家賃を支払ってもらった場合は、借地借家法上の建物賃貸借契約を結んだと判断される可能性があります。
    写真はイメージです

    このときに重要になるのが、最初の契約で期間の定めと、管理費などの項目をどう扱っていたかという点だそうです。「期間は、『更新のない契約』にしておくことが大切です。契約期間を満了したら退去してもらう、法律上、定期借家契約と呼ばれるものにしておくことです。また、共用部分(例えば、台所など)で修繕が必要となった場合に、誰がどれだけ修繕費用を負担するのかということも事前に取り決めておけば(例えば、家賃とは別に毎月管理費として2000円程度もらうなど)、無用なトラブルを防ぐことができます」と話します。

    さらに、渡邊さんは「借地借家法では、賃借人の権利(=居住権)が手厚く保護されています。そのことだけは意識しておいたほうがいいです」とも付け加えます。

    例えば、借地借家法が適用されると、貸主から建物賃貸借契約を解約することが難しくなります。「借地借家法に限らず、一般的なお話ではあるんですが、賃借人が夜逃げなどで所在不明になった場合でも、荷物を勝手に撤去したり、カギを替えたりすると違法行為とみなされてしまいます」と渡邊さん。そうした場合の賃借人の立ち退きには、裁判所の強制執行が必要です。そのうえ、賃借人が亡くなった場合でも、残された家族が家賃を払ってその物件に住み続ける権利も保証されていると指摘します。

    「40年来の友人だし、単純な居候として本人だけと一緒に暮らしたい、というなら、お試しで数週間、同居してみるというのはありかもしれません。でも、その状態を長期化させると、高齢なだけに難しい問題を引き起こしてしまいます。こういうことは最初が肝心です。法律的な知識を持ったうえで、ご自分の財産を相続する娘さんともよく話し合って決めるべきでしょう」と渡邊さんはアドバイスします。 

    高齢の親がある日突然、「友達を呼び寄せたい」と言い出したら……。どうやって冷静に受け止められるか、あらかじめリスクについても考えておいたほうがよいのかもしれませんね。

    (読売新聞メディア局 永原香代子)

    【紹介したトピ】

    こんな関連トピもあります

      その他も見る すべて見る

      アクセス数ランキング

      その他も見る
        その他も見る
        気に入ったトピを保存するといつでも読み返せる
        気に入ったトピを保存するといつでも読み返せる
        使用イメージ
        使用イメージ

        マイページ利用でもっと便利に!

        お気に入り機能を使う ログイン
        レス求!トピ一覧

        注目トピ

          みんなの投票結果

          編集部から

          編集部からのお知らせはありません

          Horoscope | 大手小町

          Twitter

          Follow

          発言小町大賞0