昼休み,会社の食堂でたまたま隣に座った知らない男性が,連れの人と話をしていたのですが,なにやらとても怒りを含んだ声音で話しているのです。
(うわー,この人怒ってるなあ…)と,最初は聞き流そうとしていたのですが,なんだか気持ちが動揺して,どうしてもそちらに気を取られてしまいました。
その人はどうやら,仕事上で,その場にはいないある人に対して怒っていて,連れの人は相槌を打ったり笑ったりしながら,わりと気楽に聞いてあげているようでした。
私は普通に食事を続けるふうを装いながら,なんとか落ち着こうと考えていました。
(子どもっぽい怒り方をする人だなあ…)と,わざとのんびり頭の中でつぶやいたりして。
でもそこで,はっと子どもの頃のことを思い出しました。似たようなことがあった。
高校生くらいだった兄が,なにかに怒って怒鳴り散らし,ドアを叩き付けるように閉めて自分の部屋へ去っていくのを見送りながら,母に「反抗期かねえ…」と言っていた,中学生くらいの自分。
私は,本当は,怖かったんです。
今でも,大きな声で怒鳴ったり,怒りを含んだ声で話す男の人がいると,心が凍りつくのです。
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