かほりと申します。素朴な疑問なのですが、皆様のご意見をいただけたら幸いです。
近年、日本人の留学者数が減少し「チャレンジ精神のない、若者の内向き志向」などと、あたかも国の将来を揺るがす憂慮すべき事柄であるかのように報道されています。国立大学が秋入学を検討している理由の一つとして、学期の始まりが諸外国と同じだと日本人学生が留学しやすいことを挙げています。留学経験者や希望者を否定するつもりはありませんが、留学しないことがそんなに大問題なのでしょうか?
かつては、アメリカやイギリスに行かないと本当の英語は身につかないと思っていた人は多いと思いますし、特に理系では日本よりも諸外国の方が研究が進んでいる分野が多かったので、そのために留学した人も多いと思います。中には経歴にハクをつけるために留学するとか、留学が流行した時代もありました。
しかし近年、インターネットや外国語教材等の進歩によって、日本にいても外国語を身に付けることは可能になりましたし、日本の研究環境・レベルが向上し、日本においても外国にひけをとらない、最先端の研究を行うことができるようにもなりました。さらに、留学した経歴そのものよりも、実際にどのようなスキルや経験を持っているかが重要視されるようになると、以前よりも留学がステータスシンボルを持たなくなったように感じます。
若い世代が、言葉も文化も異なる外国に飛び込んで、苦労しながら高度な知識や学問、国際感覚を身に付けるのは得難い経験であろうとは思います。しかし日本にいてもほぼ同じようなことが学べるのであれば、差し迫った理由がない限り、いくら国や大学がおぜん立てをしても留学しようとする若者は増えないと思います。一歩まちがえれば日本の優秀な頭脳の流失にもなりかねないのに、どうして留学者数を増やさなくてはいけないのでしょうか。
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