あるクリスマスの朝のお話です。
私が小学校4年生の時だったと思います。そして私には妹がいて、妹は小学校1年生でした。
その年のクリスマスも毎年同じようにクリスマスツリーを飾って、イブには家族でご馳走を食べて笑って過ごしていました。
次の日の朝、クリスマス当日の朝早くに、母が私を起こしに来てこう言ったんです。
「ゆきちゃん聞いて?ママの夢にサンタさん出てきたよ!
でもね、サンタさんがママに
『サンタさん忙しくてゆきちゃんとNちゃんに
プレゼント届けてられなくなっちゃったんだって。
もう大きいお姉ちゃんだから、プレゼントは我慢してくれないか?』
って言ってきたの。どうする?」
母がそう言うと、何故か分からないけど私も
「私の夢にもサンタさんが出て来てそう言ってた(本当は見ていない)!可愛そうだから小さい子にあげる!」
と泣きそうになりながら母に言いました。
すると母が私の頭を撫でて、
「ゆきちゃんはとっても優しい子だね。それじゃあ今度からはママがゆきちゃんとNちゃんのサンタさんになってあげる。」
そう言われてからはずっと、母からのクリスマスプレゼントになりました。
そして今大人になって思いました。実はこの出来事の二年後に、弟が生まれます。
母は私達の夢を壊さないように、素敵な嘘をついてくれました。
誰かに自慢してあげたくなっちゃう、ずっと忘れられない大切な思い出です。
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