20年ぐらい前に若者の間で”自分探し”という言葉が流行っていたと思います。”自分探しの旅”に出るというような表現が多かったかと思います。
当時私はアメリカで博士号を取るために勉強をしていました。博士号取得後に希望の職に就きたいという強い意志があったので、私自身は自分探しをする必要はありませんでした。ただ、1、2年で就職先を辞めた友人が数人(別々の時期に)”自分探し”のために私の滞在先に来て、なかなか帰らず困ったことがありました。自分の人生を変えれてくれるかも知れない素敵で裕福なアメリカ人男性を捕まえようとしていた友人もいました。「日本で自分が何したいか分からないのに、何で行ったこともない外国で自分が見つかると思ったの?」と言ったら怒ってしまった友人もいました。急に帰国した後、1ヶ月間間借りしていた部屋にゴミや不用品が片付けれられずにほったらかしなっていると大家さんが私に掃除をしろと言ってきたこともありました(当時は携帯電話がまだ高く、友人が携帯を持っていなかったので、私の番号を大家さんに渡していたため)...。
その後私は博士号取得後そのまま留学先の大学で10年近く働いたので、その間に自分を探していた友人たちとは音信不通になってしまいました。今古い写真を整理中で、当時の写真を見て、あの友人たちはどうなっているのだろう、自分を見つけられたのだろうか、今でもメディアの流行の言葉に踊らされているのかしら、などいろいろ考えています。その反面、10代で将来の夢を見つけてから猪突猛進でずーっと勉強・研究を中心にきた私は、若い時にもう少しどの道に行けば良いか迷ったりしたらもっと柔軟な人間になっていたのではないかとも考えたりしています。
”自分探し”をしていた皆様、今はどうしていますか?
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