一人暮らしをしていた母(80歳)に病気が見つかり、4月の半ばに緊急入院しました。
私は他県に住んでいるので、母のマンションに寝泊まりしながら、ほぼ毎日お見舞いに行っています。パートはやめました。夫は「俺のことは心配するな」と言ってくれています。
昨日、母が私に「明日は母の日ではなくて娘の日。休んでちょうだい。美容院に行ってらっしゃい。お昼は鰻でも食べて。そして素敵な服でも買って明後日に見せて。楽しみ。八重ちゃんは私の自慢の娘」と言いました。
「お言葉に甘えてそうするね」
私はそう言って母に手を振り病室を後にしました。
母は ”万が一の時に“ と、家に現金を隠してありました。私が自腹を切ることなく、数か月は余裕をもって生活できるへそくりです。
今日、美容院でカットとカラーリングをしてもらい
そのあと母から教わった老舗の鰻屋さんへ向かいました。
体力が消耗しているのが自分でもわかるので、こういう時こそ鰻パワーだと思ったのですが、お店の前まで来てやめました。値段を見たらなおさらです。
こんな時、私は本当に情けないです。何を食べたらいいのか決まらないのです。
結局イタリアンのファミレスに入りました。
「お母さん今頃大丈夫かな・・・」
数日前に携帯で写した母の写真を開きました。
ベッドでほほ笑んだ母の顔です。
鼻に管をつけています。
もう長くは生きられません。
私はグラスワインとサラダとチキンのチーズ焼きを頼みました。
母が前の席に座っていたら「昼間から粋なことするわね」って言うでしょう。
ゆっくり味わって食べました。ワインも美味しかったです。少し元気になりました。
今、買いたいものも欲しいものもありません。
一日でも長くお母さんと一緒にいたいだけです。
明日また会いに行きます。
絶対待っていて。
ユーザーID:3072781178