子どもの頃、習っていたピアノをソナチネアルバムに入って間もなく辞めることになりましたが、最後の発表会で演奏したこのメロディーを懐かしく感じます。
私自身はスムーズに弾くことができませんでしたが、これからピアノのレッスンに向かう子どもたちが夢や希望を感じるような曲でした。初夏のきらめく光、しぶきを上げる公園の噴水、薔薇の花、風に揺れるレースのカーテン、ガラスの器に載ったサクランボ、ドレスを着たオルゴール人形、長いネックレス、街中のファンシーショップ……昔の子どもが憧れた様々な風物がリズミカルに浮かび上がってくるような明るいイメージですね。

私は12番1楽章です！
当時好きだった映画があって、ちょうどその頃に弾いたため記憶がリンクしてるんですよね。
小学生時代の懐かしい思い出です。

今年の夏頃だったと思いますが、日曜日のラジオを聴いていたらモーツァルトのピアノソナタK.545が演奏されるようでした。

解説を聞きながら思い巡らしていたのですが、ピアニストはオーストリアのグルダでした。
グルダは動画で見かけてはいたのですが、しっかりと聴いたことはありませんでした。

グルダはある年の夏、オーストリアの美しい湖畔のホテルにお気に入りの録音技師を呼んでモーツァルトのピアノソナタの録音を行ったそうです。

残念なことに、この演奏のマスターテープは失われてしまったそうです。

あるエンジニアの死後、カセットテープが発見され、それがこのホテルでの演奏の際のマスターテープから録音されたものであることが判明したということでした。

このエンジニアはグルダの大ファンで、個人的にカセットテープに録音したものを楽しんでいたようです。
カセットテープの音源ということであまり期待はしなかったのですが、ラジオから流れてきたグルダのピアノは想像を超えた美しさと生き生きとした演奏で驚きました。

動画ではスルーしていたあのグルダがこのような演奏をしていたとは思いもよりませんでした。
同じ演奏家でも、素敵なホテルにお気に入りの録音技師を呼ぶという恵まれた環境がピアノの音や演奏も素晴らしくするのではないかと感じました。

やはり音楽家も気分が乗っている時の演奏は普段とは違うと思いました。

またグルダについて調べていたら、グルダは日本の女性と結婚していた時期があったようです。
ウィーン･フィルのメンバーもコンサート･マスターだったライナー・キュッヒルさんをはじめ、意外に多くが日本女性と結婚しているのは不思議な縁を感じます。