保護犬の一時預かりボランティアをしています。
落ち着いて散歩ができない子、結構いますね。
引っ張る子、そもそも散歩ができない子、散歩はするけどビビリな子。
まあ、保護犬の大半は愛情をもってかわいがられてきた子じゃないので仕方がないですよね。
そういう子は貰い手が見つかり難いので、私のとこで出来る限りの躾をします。
でも躾のプロではないので経験したことを紹介します。

アメリカ製で物理的に引っ張れなくする首輪がありますが、それはちょっとオススメできません。（ひっぱると金属鋲が首に食い込んで痛いとか可哀想で・・・）
ただ9割以上の効果があるそうです。

成功率6割くらいなので絶対とは言えませんが、ひっぱり防止のハーネスがオススメです。
通常、ハーネスの背中にリードを装着しますが、ひっぱり防止ハーネスは犬の胸側にリードが装着できるようになっています。

リードが背中側に付いていれば、ハンドラーよに前に出ても進行方向に強く引っ張ることができます。
しかし、胸側にリードがついていると状態だと、ワンコがハンドラーより前に出ると物理的に体の向きが変わり、強く進行方向に引っ張れません。
ハンドラー側が方向転換しなくても、勝手に体がハンドラーと直角方向に体が向いてしまいます。
これを繰り返すとその場でくるくる回るしかなく、引っ張っても無駄だと分かって、ハンドラーより前に出ようとはしなくなります。

ただ、4割の子はイヤイヤ引っ張り（いきたくないーいって後退する）をする。
胸側にリードがついていても後退する引っ張りはできちゃいますから。

トレーナーさんを二人も付けるなんて、本気でその子をちゃんと躾ようとしているのですね。
すごいな～と思います。
それでもあと一歩が治らない子は個性が強いのでしょう。
だからこそカワイイし幸せになって欲しい。

うちの子もミックスで、親がよく吠える犬種（いわゆるベルドッグ）同士なので、とても過敏で神経質です。（獣医師さんに「十匹に一匹くらいの非常に過敏な子」と言われてしまいました。）
赤ちゃんの時に我が家に来て、もちろん虐待もしていないし、しつけをしながら可愛がってきたのに、あまりに過敏で困っています。
しつけ教室にも通っていますが落ちこぼれで匙を投げられています。（お手やお座り、伏せなどのしつけは軽々できますので、頭は悪くありません。むしろ頭が良すぎ。）

散歩のときも「興奮」が収まるまではリード（ハーネスとダブルリード）を引っ張って、ほとんど後ろ足でうさぎのようにピョンピョン飛んでいます（苦笑）
仕方がないので、興奮が収まるまで家の周りを何周かして、それから公園へ行くようにしています。
興奮が収まれば、私の横について散歩らしく歩くことができます。

何度も方向転換をする方法は多少利く気がします。
これは、飼い主より先走る犬というのは自分を「リーダー」だと思っているためだそうで、
「行き先（方向）を決める＝リーダーはあくまで飼い主」ということを教えるためだそうです。
犬が先走りリードを引こうとするたびに方向転換して「リーダーは私よ」と誇示することで、
犬も「あれ？」と困惑するというか、出鼻を挫かれるというか、興奮も収まってくるようです。

臆病で過敏、興奮しやすい・・・これはその子の性格なので、ある程度、仕方がないとしか言えません。
この子を家に迎えてから、家族で知恵を絞って色々勉強して、しつけ教室にも通わせているのに、「ダメな飼い主」とレッテルを貼られるのはとても辛く、ため息しか出ません。
何頭も犬を飼ってこられて慣れている飼い主さんからはよく「年を重ねると落ち着くわよ」と言っていただけて、うちの犬もそうなってくれるといいなと思っています。まだ希望的観測ですが・・・。

私も、上記のようなトレーニングを、犬を譲り受けた１歳半の時にしましたが、結局定着しませんでした。が、ある時期を境に、急に色々な躾が定着し、散歩も引っ張ることがなくなりました。

結論を言えば、トピのトレーニング以上に重要だったのが、犬との信頼関係、飼い主のリーダーシップの定着、犬自身の成長、だったと感じます。

我が家の犬は、柴犬成犬ということもあり、表向きは従うしなつきはするものの、私を認めてくれるまで実際には２年程度かかりました。トピ主様の場合は洋犬でしょうし子犬からの引き取りなのでこの点は問題ないかなと思います。

次に、犬自身が成長する（２歳くらい）までは、基本的な躾も何度か失敗していました。人間で言うと20歳くらいなんでしょうかね。人間でも、その年齢でオイタをする子は一定数いますから、そこはどれだけ管理教育するかによるのかなと思いました。恐怖政治あるいは完璧な叱らない育児ができる人であれば、犬も自在に制御できるでしょうが、一般の人であれば、２歳くらいまでは躾は落ち着かないのではないかなと思いました。特にエネルギーが有り余る子犬の散歩の制御は難しいかなと思います。

なお、２歳を過ぎた頃から、散歩途中でひっぱり始めたら、軽く紐を引くだけですぐに歩調を緩めてくれるようになりました。

なお、日頃は、常に犬のリーダーであるべく、ある程度の威厳を持って犬に向き合っています。ダメなものはダメ、犬のやりたいこと＜私のやりたいこと、犬を不安にさせない、そう言うスタンスを貫いています。それがリーダーなのだな、と、犬が理解し始めたのが２歳なのかな、と思いました。

たまに、気を抜いたがためにデレデレになったり、躾を忘れて犬の好きにさせたりなどすると、躾が崩れて、取り戻すのに１ヶ月ほどかかります。これは、2歳以降でも発生します。ま、人間でも、上司がユルイと部下はダラけますものね。