北京オリンピック男子体操の主将を務めた富田洋之選手が大好きです。
初めて彼を観たのは2002年のNHK杯で、黙々と安定した演技を続ける姿に興味を持ち現在に至ります。
アテネオリンピックでは金メダルを決める最後の鉄棒でぴたりと着地を決め、実況の刈谷アナの「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!」で一躍日本のエースとしての地位を確固たるものにしました。
感情を表に出さず、真っ直ぐに自分の理想とする「美しい体操」を求め続ける姿がとても素敵だと思います。
アテネからの4年間は世界一になったり、入賞すら出来ないときがあったり…またそこから復活したり怪我に泣かされたりといろんなことがあり、そしてようやく今年の北京オリンピック。
団体で銀メダル、個人ではメダルこそなかったものの総合、鞍馬、鉄棒で入賞。吊り輪から落下したり最後の鉄棒で着地に失敗したりとアクシデントやミスもありました。けれど最後の最後に「幸せなオリンピックでした」と笑顔で答えることの出来る潔い姿に、冨田選手の人間的魅力を改めて感じました。
2年前に採点方法が変わり、体操界の流れも大きく変化する中、いろいろな葛藤があったのだろうと思います。流れに合わせ新しいものを取り入れつつ、それでも美しい体操にこだわりオールラウンダーとして世界に向かう姿に、今回本当に感動させられました。
特に最終日の鉄棒の演技で実況のアナウンサーが「もう充分です。冨田への4年間の重圧をといてあげてください 。そして、最後まで見守ってあげてください」と言った言葉で、彼があのアテネの着地から抱えてきたいろいろなものが見えたような気がし涙が溢れました。
体操は技を競い合うまさに文字通りの競技ですが、彼はそれを芸術の域まで高めた功労者でもあると思います。
同じような思いで冨田選手を観ている方。いらっしゃったらここで思いを語りませんか?
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