面接時に「お父様、お母様」というように家でもその呼び方をさせるようになるのと根っこは同じな気がします。

高校や大学は受験するのが当たり前ですね。受験しなければ入れませんから。程度の差はあれ、受験勉強という準備が必要です。
しかし、幼稚園や小学校は、「受験勉強」してまで入るのが当たり前ではありません。幼稚園や小学校を受験する子は増えたとはいえ、大多数はまだ、受験勉強などせず、近所の幼稚園に入る（多少の面接などはあってもほぼ全入です）、学区の公立小学校にそのまま入る。
幼稚園や小学校受験するためには、早い子は１歳ごろから教室に入り、幼児ながら模擬試験など何度も受けて、家でもワークブックなどお勉強し…特別な準備をするのです。もちろん、大変なお金がかかります。親も特別な心構えが必要です。
当然、幼稚園や小学校を受験するのは、一定のレベル以上のお金持ち層が多いです。
はたから見たら、ほんの３歳や４歳の子に勉強させ、お金もかけ、ママたちも必死と、「あらあら…」と見える部分もあるのですよ。
「お」受験、という言葉にはそういう状況全体をやっかみ半分、揶揄する意味もこもっているように思います。

受検する本人の意志よりも両親の見栄や願望なんかで過激な競争をしていることを揶揄しているのだそうです。

幼稚園や小学校の受験ってのは、
「学力」や「知力」を測るテストではないですね。

ちゃんと授業料を納めるだけの資産・収入が両親に有るかをチェックするのが最優先ですよ。
そのなかから躾のされた行儀の良い子を「テスト」の形式で選別するのです。

その意味では、頭の良い子よりも、早熟な子が有利ですね。

本人の学力や資質を競う「受験」に対して、チビッコ選抜を「お受験」と揶揄しているだけです。

半分、小馬鹿にした言葉だと思ってました。
「受験」にまで「御」をつけて丁寧語にしてしまうようなセレブのなさることだからです。
「おビール」「お机」「お鞄」度がすぎると上品を通り越して、幼児的で滑稽でしょう？

ところで「御」の読み方は原則として「音読みの語には(ご)」、「訓読みの語には(お、おん)」と読みます。
「受験」は音読みなのに「お受験」なんですね。こういうのは「おんなこどもの使う(お)」に多いのです。敬意を表す場面でもなく、必然性もなく、ただ「丁寧」に語感を柔らかくするための(お)ですね。
大人が子供に「お受験するんだから、お行儀よくお机に向かってお本読みましょう」と言うのを、そのまま大人同士の会話に持ってきて恥ずかしくない知能レベルの親も紛れ込んでるからバカにされるのです。

ちいさな子が受験するから。
ちょっと嘲る気持ちをこめて。

そんな感じでしょうか。

かわいい｢お受験｣というネーミングですが、内容はハードでした。

でしたよね？
その時にできた言葉なのか、前からあったのかは分かりませんけど。

東大至上主義と呼ばれる
幼児・児童期の教育環境の重要性をよく理解していない
農村部や地方を中心とした公立学校の人生しか知らない人たちが
羨望半ばで揶揄する言葉だからです。
知らないということがどれだけ厚顔になれるかをよく表していますね

それは、親が受験に大きく関わるからです。

おやの「お」です。

高校受験になると、本人の意思が大きくなりますので「お」はとれます。

お受験＝子供の受験半分、親の受験半分という意味ですよ。