先日。電車の向かいの座席に小学校低学年くらいの男の子が2人座っていました。親は同行せずで「どこへ行くのかな、大丈夫かな」と何気なく見ていたら、2人でコソコソ話を始めました。
そして1人の子が勢いよく立って「おばあさん!どうぞ!」。コソコソ話は席を譲る相談だったみたい。
譲られた女性は、おばあさんと呼ばれるには早すぎる。60歳前後かなって感じです。
その光景に私はドキン!!…なぜなら、遥か30年以上も昔の苦い思い出が蘇ったから。
遥か昔のその日私は1人で電車の座席に座っていました。途中で年配の2人の女性が目の前に立ちました。手には大荷物。
迷ったけど「どうぞ」と席を立ちました。荷物が重そうだったから。
すると女性の1人が「わあ!席譲られた!」、もう1人が「こんな子から見たら私ら年寄りに見えてもしゃあないわ(関西弁・仕方ない、の意)」。そして2人でゲラゲラ笑い出しました。
最後は「せっかくやから座らせてもらうわ」と。どちらか1人が座りました。
人生経験を積んだ今なら「たくさん荷物をお持ちだったので…」なんて言えるけど何しろ当時は高校生。
恥ずかしくていたたまれなくなって、下車駅はまだ先なのに次の駅で降りてしましました。次の電車を待ちながら、悲しくて悔しくて涙が出てきそうになりました。
そして現代に戻って……
おばあさんって言っちゃったけどどうなるかな。ドキン……
するとその女性、言いました。「ありがとう!荷物が重くてしんどいなって思ってたとこ!気がきくね!」
そしてホントに嬉しそうに座られました。男の子たちも誇らし気な嬉しそうな笑顔。
ああよかった!この子たち、これからも迷わず席を譲る優しい人に成長するだろうな、って気持ちがほっこりしました。
私もいつか初めて席を譲られる日が来たらこんな風でありたいな、って思った出来事でした。
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