60代も後半になります女性です
私は今でこそ、まあまあ恵まれた生活を送っておりますが、小学校に上がるころ、父が経営していた会社が倒産し、それまでの裕福な生活から一転、どん底のような生活になりました。昭和30年代です
家には住み込みのお手伝いさんや、会社の従業員も沢山いたのに、みんなどこかに行ってしまい、私たち家族(祖父母、両親、姉私妹弟)は唯一残った工場の片隅を住みかとして寄り添って暮らすことになりました
私の小学校入学時には一番苦しかった時なので、かろうじてランドセルだけは親戚から贈られたので何とかなりましたが本当にないない尽くしの生活でした。
一つだけかろうじて前の生活の名残はまだ田舎では珍しかったテレビが大きな電気屋だった母の実家から贈られてあったことでした
その生活は中学校に上がるころまで続いたのですが、日本全体が貧しい頃だったので昔の事を知っている人から見たら可哀想だと思われたかもしれませんが他の近所の友達とは結構楽しくやってました
田舎には山も川もあり、今ほどうるさくなかったので、おやつになる木の実や遊ぶ場所も沢山ありました
日本経済の成長とともに新しく父が始めた事業も何とか回るようになり、裕福まではいかなくても私たちは全員大学まで出してもらえ、それなりに結婚し仕事について今日まで不自由なく暮らしております
ところが、最近、あのどん底の様だった暮らしが懐かしくてたまらないのです
きれいな夕陽を見たり、夏の暑い日に大きな木の陰で休んでいたり、あの当時流行っていた歌を聴いたり、そんな瞬間にあの頃の事を思い出して泣きたくなるほど恋しいのです
あの頃の幼い自分が健気で愛しくてたまらないのです。年を取るほどその気持ちが強くなってどうしようもありません
だから何だということではないのですが誰かに話してみたかったので読んで下さった方有難うございます
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