私が高校生の頃、弟がうつ病で引きこもりになり、家庭が荒れました。
父親は仕事人間で家庭を顧みず、追いつめられた母がやったことは私に対する八つ当たりでした。
「うつ病は真面目な人間がなる」という本を読めば「里子はうつ病じゃない=つまり真面目ではない=自分勝手な人間」と解釈し、
「お前は自分勝手な人間だ」と直接私に伝えてくる。
一事が万事そういう感じで、弟の病状が悪くなる度に暴言が繰り返されました(今思えば、母も一種のうつ状態にあったのでしょう)
母の暴言に耐えかね、私は大学進学を機に家を出ました。「母は私のことが嫌いなんだ」と思っていました。
数年後、弟の病状が落ち着き、母から「あの頃はどうかしてた。悪かった」と言われたものの、母の態度の急変に心がついていかず、突っぱねてしまいました。
それから時が過ぎ、私も親になりました。夫の転勤に伴い仕事を辞め、友人もいない土地で子育てをしていると、ふと母の姿が脳裏をよぎりました。
その時初めて「ああ、母は孤独で、自分で自分をどうにもできなくて私に八つ当たりするしかなかった。私を嫌いなわけではなかったんだ」と思えるようになりました。
こどもが学校に行かない。夫は家にいてくれない。慣れない土地(母は遠方から嫁ぎました)で母がすがれるのは私しかいなかったのだと。
もちろんそれで母のしてきた仕打ちがチャラになるわけではありません。母子仲は険悪とは言いませんが疎遠で、お盆と正月に顔を出すくらいです。
ただ「あの時はそうするしかなかったのだな」と一連の事件がようやく腑に落ち、少し前を向けるような気がしました。
皆様の「親になってわかったこと」エピソードがあればお聞かせください。
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