昨年末、母が51歳で亡くなりました。
母は50万人に一人という難病をかかえており、3年前にあと10年と宣告されていました。でも私はそのことをすっかり忘れており、思い出したのは母が亡くなった時でした。
母は余命宣告をされた数日後、「私、死ぬんだって」と少しだけ寂しそうに言いました。そんな母に私は「まあいいんじゃない?今死んでも後悔せんでしょ?」と冷たく言ってしまいました。
当時の私は、親の前で感情を出すことは恥ずかしいことと思っており真剣に受け止めることができませんでした。今考えると本当にひどいことを言ってしまったと後悔してもしきれません。
それから母は長生きすることではなく、余生を楽しむことを選び、仕事も全力、やりたいことをやり、行きたいところに行き、毎日楽しそうに笑っていました。
私とは一緒に旅行に行ったり、家に帰るとご飯を食べさせてもらったり(私は1年前に結婚し家を出ました)、私の大好きな母が作ったたけのこごはんを車で1時間の距離、持ってきてくれたりしました。それなのに私はいつも母に冷たく、母が怒ってしまうこともありました。
私は本当にダメな娘でした。お母さんにありがとうと言ったことは大人になってから結婚式での1回しかありません。家に帰っても手伝いもしません。ただご飯を食べさせてもらうだけです。一緒に旅行に行くのはお金を出してもらえるから。
それなのに母はご飯を食べる私を嬉しそうに見ていました。旅行に誘うとすぐにガイドブックを買ってきていました。たった1回のありがとうは涙を流して聞いていました。
もう母はいません。謝りたくても謝れません。ありがとうも言えません。笑顔も見れません。
でもこれだけは胸を張って言えます。母は素晴らしい人です。
お母さんの娘でよかった。いつか子供ができたらお母さんみたいな母親になれるよう頑張るね!
お付き合いいただきありがとうございました。
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