悩みますよね。

私の大事な友人の話です。
彼女は大学の講義中にお母様が事故に合われたと連絡が入り、慌てて帰宅しました。私たち友人グループも彼女と一緒に授業を受けていて、呆然と見送りました。
彼女のお母様は意識が戻ることなく亡くなったとききました。
事故の日の朝、「行ってきます」と顔も見ないで挨拶したのが最後だったそうです。

その話を聞いて胸が痛みましたが、私たちはみんな両親とも健在でむしろちょっと、うっとうしいと思っているような年齢です。彼女がどうしてほしいかなんてわかりませんでした。
ご葬儀には出席しましたが、父親や親戚と一緒に喪服で座っている彼女に話しかけづらく、葬儀の雰囲気にも慣れない私たちはそそくさと帰ってしまいました。ドラマのように彼女を抱きしめて泣くなどできるわけもありませんでした。

そのあと「落ち着いたら連絡してね。待ってるね」とメールを送り、彼女からの連絡をただ待っていました。
一ヶ月くらいして彼女から、明日授業に出るねと連絡がありました。

再会した時は何を話していいかわかりませんでした。

ご愁傷様という挨拶は知っていましたが、借り物の言葉は使いたくありませんでした。
会いたかったもつらかったねも軽く感じて。

結局、おはようと挨拶をして、お疲れさまと言いました。
彼女もありがとうと言いました。

けれどこれだけであっさりと元に戻るわけはありません。
お互いにしばらくは気まずかったと思います。
彼女も私たちが接し方に悩んでいるのがわかっていたようでしたし。

それでも、敢えて普通にこれまでと同じようにやり取りをしていました。
その日々を積み重ねて、少しずつ、彼女がお母さんの話題をしてくれたり、私たちも自分の親の話をしたり、本当の意味で普通に戻っていきました。

ほんださんはお優しい方ですね。
ご友人も早く元気を取り戻せますように。