あの時、私はすごく急いでいたはずなのですが、
目の前をスタスタ走るご婦人に当たらぬように乗っていた自転車にブレーキをかけました。
ご婦人は手にカメラを持っていて、私に気がつくと一礼してカメラを構えました。
私は急いでいたんですが、ふと閃いてしまって、目の前のご婦人に撮りましょうかとつい声を掛けてしまいました。
するとご婦人は驚いて、有難うございますと言ってカメラを手渡し、スタスタと小走りでしだれ桜の根元へ行き
そこには車椅子のご年配の方を中心に、そのご家族らしき方々が立って既に構えていました。
ご婦人はさしづめお嫁さんかと思われましたが、みんな口々にあー良かったと言ってお嫁さんを迎えていました。
ファインダーを覗くとみんな桜の木の下で、とても嬉しそうに明るく笑っていました。
本当に良い笑顔でした。
シャッターを押して、撮れましたよと言うと口々にまた、あー良かったやら、お礼やら、笑い声が聞こえました。
急いでたので、すぐにカメラを渡してその場を去ったのですが、
良い事をしたというより、良いものが見れたなと、むしろラッキーな気持ちになりました。
ファインダーの中、本当に良い写真でした。
あの時私を立ち止まらせて、全員揃った写真を撮らせたのは神の仕業ではないかと私はいまでも確信しています。
皆様もそういった、神が下りたかのような瞬間にぐうぜん居合わせた経験はありますか?
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