読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、「駄トピ」と呼ばれるちょっと変わったジャンルがあります。「発言小町」では、はじめに投稿者(トピ主)が自由にテーマを決めて投稿してきます。その際に、自ら「悩み相談ではありません」「お時間があったらおつきあいください」といった意味を込めて、トピのタイトルの末尾に「(駄)」と付けることから、「駄トピ」と呼ばれるようになりました。
イメージです実は、楽しいテーマの多い「駄トピ」。この冬、ぜひ読んでほしいトピの一つに「古本屋で買った本に挟まれていたもの(駄)」があります。
トピ主「ビブリア」さんは、読書好きで、古本屋でよく本を購入しているそう。古本には、前の持ち主が栞の代わりにしたのか、キャラクターシールや折り鶴、ときにキャバクラ嬢の名刺までが挟まれていたといいます。
友人の中には、領収書が挟まっていたという人もいるそうで、「皆さん、『こんなものが本に挟んであったので驚いた』というものはありますか?」と発言小町で呼びかけました。
このトピには、50件近いレス(反響)が寄せられています。
テストの答案・四つ葉のクローバー・有名作家のサイン
「採点済みの答案用紙や学校プリントが挟まっていました。答案用紙は、フルネーム記名済み。実施年度こそわかりませんが、近隣の中学の学校名が印刷されているプリントも挟まっていたので、売ったのは近所の人かも?」(「めろん」さん)
「四つ葉のクローバー、観劇のチケット、次に手に渡る人へのお手紙や、献本ですっていうハガキが挟まれていたことも。毎回とても楽しみです」(「スーパーリッチ」さん)
「ネットで購入した中古本。ページサイズにカットされた薄葉紙が挟まれていましたが、そのページには作者のサインが……。大好きな宮部みゆきさんのサインで、うれしかったです」(「あいりす」さん)
「(ネットで)中古の楽譜を購入し、届いたものを開封してみたところ、作曲者のサイン入りだったことはあります(※サインの宛名書きはペンで墨塗りされていました)。1990年代に他界された作曲家だったので、二度と書かれることのない直筆のサインを図らずも入手してしまったことになります」(「名無し」さん)
「京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの小説に手書きの人物相関図が挟まれていました。主要人物が増え、誰が誰だったかわからなくなってきて、一度自分で相関図書こうとしていた矢先でした。同じこと考える人、いるんだなあ、とうれしくなりました」(「ひよもん」さん)
幸福を呼ぶ四つ葉のクローバーや、有名作家のサインはうれしいでしょうね。子どもの学校のテストは、いつのものかは分からないとのことですが、個人情報ダダ漏れにしないためには気をつけたいもの。個人情報といえば、こんな書き込みもありました。
給与明細・離婚届・胎児のエコー写真
「古本屋で中身確認をしていたときに給与明細が挟まれていました。当然実名から金額からバッチリ。買わずに本棚に戻したので、あれはどうなったのでしょう」(「神無月」さん)
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「これまで一番驚いたのは、『離婚届』の切れ端。『離婚届』という文字がある部分だけでしたが。それも、推理小説の佳境の所に挟まっていました。『どんな人が挟んだのだろう?』とか『破かれているのは何故?』とか、色々と想像してしまいました」(「新聞好き」さん)
「発行日から4年ほど経過している名前の付け方みたいな本を買った時、胎児のエコー写真が挟まれていました。その子ももう3歳くらいかな~と思いを馳せ、蛍光ペンでマークしてある字を使って名付けられたのかなぁ~とか結構妄想が広がりました」(「匿名」さん)
胎児のエコー写真に、離婚届の切れ端……。本の持ち主さんがどんな心境で読んでいたのか、想像力をたくましくしてみると、だれかの人生の一断面に出会っているのかもしれませんね。ほかに、挟まれていたのがゾッとするもので戸惑ったという体験談もありました。
「誰かの悪口を書き殴ったメモが挟まっていたことがあります。それも、何人かの人に対する不満を、箇条書きでした」(「ぱんだ」さん)
「古本屋で買った文庫本。さあ読もうと開いてみたら、怪しげな文様が書かれたお札の様な物が。見た瞬間、あっコレあかんやつや……と鳥肌がゾワッと立ちました」(「チョコケーキ」さん)
縁起が悪くなってはいけないと思った「チョコケーキ」さん。そのお札は神社に持っていって「お焚き上げ」をしてもらい、そのまま本を売りに行ったそうです。大変でしたね。
記者自身も、古本市で買い求めた楽譜に、丁寧な譜読みの書き込みがあって、「元の持ち主さんはどうしてこれを手放すことになったんだろう」としんみりしてしまったことがあります。
今回の「挟まれていたもの」というテーマには、古本が人から人の手に渡っていく面白さ、温もりが感じられます。今は、何十冊でも何百冊でもタブレット端末やスマートフォンに収納できる電子書籍が便利な時代ではありますが、このトピを読んで、やっぱりリアルな本っていいなあ、大切にしたいなあと思い直しました。
(読売新聞メディア局 永原香代子)
【紹介したトピ】