大きく分けて古くからの貴族や王族の末裔で世襲制の貴族院(上院、House of Lords)の議員になれる階級と政界に進出するためには選挙活動をしてまず下院 (House of Common)の議員になる必要がある階級とがあります。後者は以前は資本家や地主階級の代表だったようですが、ご存知のとおり今では政党に所属すれば庶民でも立候補できます。
デュモリアの作品は未読ですが登場人物は不労所得がある地主階級のようです。古い作品ですがジェーン・オースティンの「理性と感性(Sense and Sansibility)」は地主階級の生活をお金の面からも生き生きと描いていますし、フォースターの「眺めの良い部屋(A Room with a View)」は伝統的貴族の婚約者と新興資本家の息子の恋人との間で悩む若い女性を描いているとわたしは解釈しています。それから伝統的貴族の中にはいろんな事情で困窮に陥って広大な土地や大きな館を手放す人もいます。イギリスの貴族詩人バイロン郷がそうでした。デュモリアの登場人物は多くの使用人がいるわけではないのでこのグループに属する可能性も否定できませんね。