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金閣寺(三島由紀夫)好きな方にお聞きします

レス18
(トピ主 0
🙂
aya
話題
三島由紀夫の金閣寺は耽美的であるとか、三島文学に惹かれる方が多々おられますが、どこにそのように惹かれるのでしょうか?人間の闇の部分を描き出したというところがすごいのでしょうか?私自身も暗い部分とか持ち合わせていますが、今ひとつ、その良さが理解できないでいます。 好きな方、魅了された方、教えて頂きたいです。

トピ内ID:9180970452

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はい、文章です。

041
あらいぐま
英語や外国語学習法などで度々、発言小町にお邪魔しているあらいぐまと申します。…「金閣寺」は中学生の時に初めて読み、高校で英語の学習法に疑問を持って自習を旨としていた頃に英訳を入手しました。「こんな素晴らしい日本語が他国語に訳せるものか!」と思い、「金閣寺」の中の美しい、あるいは切れる文章をノートに書き写し、英訳本から対応する文章を拾って書き出しました。結果は敵もさるもの。。。外国語の読解力と自国語での表現力があれば何でも翻訳できるのだとわかりました。 短編集「真夏の死」の表題作を読むと三島由紀夫の目指したところがわかりますよ。外的な要因(「金閣寺」では戦争と荒廃、「真夏の死」では2人の子供の死)によって変化させられる人間心理の軌跡を秀逸な筆致で見事に描いています。ただ、「金閣寺」の主人公に共感できるかといえばそれは無理です。わたしが主人公に共感できるのは断然、ドイツ教養小説です。ヘッセの「デミアン」「シッダールタ」「ガラス玉演技」などを読みました。トマス・マンの「魔の山」、ゲーテの「ウィルヘルム・マイスター」も読みたいです。

トピ内ID:6410101814

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とぴ主です

🙂
aya
あらいぐまさんありがとうございました。文章力なのですね。三島文学を好きな人は文章が美しいと言いますが、わたしにその美しさがわからないということなのでしょうね。 ヘッセは好きでした。シュダールタは文章ということより内容に共鳴しました。 短編集「真夏の死」も読んでみます。

トピ内ID:4423582455

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閉鎖された空間であるからこそ…

🎶
萩子
どう眺めても美しい金閣寺の内側で劣等感や欲といった愚の骨頂に囚われた者達。 向き合えば向き合うほどに簡単に解けていくのは閉ざされた空間であるから… その中で美しく生きるためには普通であってはいけない。 金閣寺で生きる権利を放棄してしまった若さは未熟なだけじゃないから火を放ったのかもしれないなどと辞書を引きながら夢中になって読んだ頃が懐かしい…

トピ内ID:2911967647

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独断と偏見

🙂
堕天使
「金閣寺」などは 実際の金閣寺放火事件に材を取って、なぜ金閣寺を焼かねばならなかったのかを探究しているのですが、「金閣寺は世にも美しい、 美しいものは滅びなくてはならない、故に滅びの美学に殉じて火を放ったのであると」全くバカバカしい限りの手前勝手な屁理屈にも なっていません。ところがこんな愚にもつかぬ話を、うかうか読まされてしまうのは、ひとえに三島の天賦の才能、文章技術の卓越性です。 コンコンと湧き上がる観念の豊饒さ、華麗なる暗喩、比喩の言い回し、ただならぬ予感を抱かせつつ引き込んでしまう構成の巧みさ。 狂気を孕んだ陶酔の中に我知らず投げ込まれてしまうのです。

トピ内ID:8878943285

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とぴ主です

🙂
aya
萩子さまありがとうございました。美しい金閣寺の中で美しく生きるためには普通であってはならない。という美意識は分かりますが、それが放火をする原因なのでしょうか? 金閣寺で生きる権利がないから滅ぼしてしまえというのが耽美的なのであろうかと?分からないのです。

トピ内ID:3256245949

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東洋ではなく西洋に置き換えると

🐧
おばはん
あれが寺社仏閣ではなくて教会だったらどうでしょうか? 清らかな精神修行を目指す神学生が、神父の淫らな行いを目の当たりにして教会に放火する・・・。 そう考えれば分かりやすくないですか? そう考えればけっこう“お耽美”ではないですか? あんまり「ブンガク=立派!すごい!」などと思って読まないほうがいいですよ。 分からんものは分からんで良いのです。

トピ内ID:2368758364

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三島由紀夫が目指したもの。

041
あらいぐま
それはフランス心理小説です。特に世間から絶賛を受ける小説を少なくとも2作残して20代初めで世を去ったラディゲに若い頃ライバル意識を燃やしていました。わたしはラディゲの本は「ドルジェル伯爵の舞踏会」しか読んでいませんが19才の青年が書いたとは思えない緻密な心理描写のあるすごい作品です。 きっと読んで楽しめると思います。三島由紀夫は19才か20才の時に「盗賊」を書いてラディゲに挑戦したつもりですが完全に失敗でした。なぜならラディゲはフランスのカトリックの伝統の中で育ち、その道徳意識に染まり、ルイ王朝の貴婦人ラファイエット夫人が書いた心理小説「クレーブの奥方」を下敷きにして「ドルジェル」を書いたことを隠しもしませんでしたが、三島にはそんな背景がなく、「盗賊」には下敷きにした作品もないようですから。そう考えると絢爛たる作品「金閣寺」は「フランス心理小説」マイナス「道徳性」プラス「犯罪性」かもしれません。 三島由紀夫の作品は10冊ほど読みましたが短編集「真夏の死」は表題作以外は内容を思い出せないほど表題作が素晴らしいです。この作品はフランス心理小説に過不足なしといったところです。

トピ内ID:6410101814

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🙂
aya
堕天使さんのご意見に納得しました。ありがとうございました。 じつは、なんてばかばかしい屁理屈なんだろう?と正直思いました。美学などではなく変なコンプレックスから生まれた奇行を、正当化しているに過ぎないと思いましたが、それが文章技術なのですね。 目から鱗です(笑)今度からその視点で読んでみたいです。

トピ内ID:3256245949

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とぴ主です

🙂
aya
おばはんさん、なるほど教会と考えると耽美的に近づいてきました。 分かりやすかったです。ありがとうございました。

トピ内ID:2482503385

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最高の美の中にいるもの…

🎶
萩子
金閣寺の中の自分と本当に向き合っていれば放火などしなかったでしょうね… 私は少林寺が大好きです! 少林寺を維持するために修行僧達は一心不乱に修行を続けています。 技の一つ一つは鍛錬され一糸乱れず、秩序が保たれ正しい順序を間違える僧は一人もいません。 寺を守る意志がそこにあります。 様々な思いをしてきた主人公は金閣寺に集中してなかったようですね(笑)

トピ内ID:2911967647

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「金閣寺」の主人公が犯行に及んだ理由

041
あらいぐま
犯行の動機は住職の田山道詮和尚(字が違っているかも)が女遊びをしていたせいではなく、金閣寺が戦火を受けず、何事もなかったかのように残ったことだと思います。戦時中、アメリカが日本の文化遺産や史跡を避けて空襲を実行していて金閣寺がアメリカによって破壊される可能性がないと普通の人から聞いた時の主人公のショックが大きい。それから金閣寺の西洋版ですが、西洋の教会は石でできているので火をつけても燃えないです(笑)。 文学はもちろん綺麗なことばかりではありません。伝統的なフランス心理小説では「神様がお見通しなのに私はこんな気持ちを持っていいの?」が頻出する主題で(「クレーブの奥方」も「ドルジェル伯爵の舞踏会」も不倫の話)、結構綺麗(?)ですが、わたしがこれから読むつもりのエミール・ゾラの「ルーゴン・マッカール叢書(含「居酒屋」「ナナ」)なんか結構醜悪らしいですね。「ナナ」など読まれた方どうでしたか? フランスの作家が得意とするような人の心の動きに関心があって「金閣寺」を手に取り、卓越した文章にはまる人も多いと思います。それからヘッセの「シッダールタ」の原文はすごく凝っているらしいです。

トピ内ID:6410101814

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わからなくていいんじゃないですか

🙂
flower
半年ぐらい前に、「村上春樹のよさがわからない」というトピが立っていたので、参考にされてみてはいかがでしょうか。 読んでぴんとこないのなら、ぴんと来る神経が自分にはないのだ、と考えたほうがすっきりするかも。人それぞれぴんと来る神経の種類や本数が違うので、いくら他人がいいと言うものでも、自分にその神経がなければ説明されてもわからないのだ、と。 特に三島由紀夫は、読者を煙に巻くタイプの作家なので、パズルをぱちんとはめるみたいに、辻褄を合わせようとしながら読むと、さっぱり意味がわからない、となるんじゃないでしょうか。 ともあれ、彼の文章のダイヤモンドのような硬質な美しさを堪能できないならば、どっちにしろトピ主さんには合わないんだと思います。私も半信半疑です(笑)

トピ内ID:6242790840

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あらいぐまさま

🙂
aya
ラディゲですか? 肉体の悪魔を読んだのですが、やはり描写が少しくどいと感じてしまって…でも文学的には優れているのは分かります。 ラファイエット夫人が書いた心理小説「クレーブの奥方」は好きでした。 ありがとうございました。

トピ内ID:2843458306

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萩子さま

🙂
aya
そうですよね。金閣寺に描かれている人間の弱さ醜い側面をなぜ、耽美的というのかが疑問に思えたのです。 寺を守る意志とか金閣寺を守る意思などは無いですよね。そもそも目的が放火犯の犯罪心理であるなら納得ですが。 ありがとうございました。

トピ内ID:2843458306

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「理解」は難しいかも。

🐱
biscuit
「理解した」なんて言ったらたぶん三島由紀夫には馬鹿にされちゃうだろうなと思います。 読んでみてピンとこないなら、たぶん説明されてもピンとはこないのではないでしょうか。 それはそれでいいんじゃないかな?また違う時に読んでみたら何か感じるかもしれないし。 「なんなんだろうな?」って疑問を持ち続けて時々考えてみれば良いと思います。 とりあえず金閣寺に行って1日見つめ続けてみては?再建後の建物ではあるけれど。

トピ内ID:4663672781

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究極の美学に憑りつかれた悲劇の文学的救済劇

🙂
人生激情
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」と並列して考えれば、理解し易いと思います。ウェルテルは、ロッテに激しい恋心を抱きますが、 ロッテには、すでにアルベルトという婚約者がおり、どうしようもありません。それでもロッテへの愛慕の激情はつのるばかりで、 悶々たる日々の苦しみを書簡形式で訴えています。そして、予定通りロッテとアルベルトは結婚式をあげるのですが、ウェルテルは すべては終わったとピストル自殺を遂げてしまう。表面的な筋書は、バカバカしい限りでしょう。何で婚約者のいる女性を好きになり、 そしてロッテはその婚約者と結婚して人妻になり、もう自分には手の届かぬ人となったと絶望して死んでしまう。身近にこんな男が いたら「お前は、アホか!」と怒鳴りつけたい気持ちでしょう。しかしドイツ文学不朽の古典として250年も世界中に読み継がれて いるのは、その恋の狂気に憑かれた心情をものの見事に芸術の域のまで昇華させたゲーテの文章力なのです。金閣寺を焼くという愚の骨頂 というべき蛮行を、三島は美の狂気に憑りつかれた男の悲劇としてゲーテと同じように、文章の力で美神の行為たらしめているのです。

トピ内ID:8878943285

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人生激情さま

🙂
aya
狂気に憑かれた心情をものの見事に芸術の域のまで昇華させたゲーテの文章力なのです。金閣寺を焼くという愚の骨頂 というべき蛮行を、三島は美の狂気に憑りつかれた男の悲劇としてゲーテと同じように、文章の力で美神の行為たらしめているのです。 とのご意見に納得しました。本当ににそうですね。文章力なのですね。ありがとうございました。 まとめてですが、皆様ありがとうございました。美しい文章、描写という視点でもう一度読み返してみます。

トピ内ID:2843458306

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まだあります。主人公と距離を置き、視点を変えること。

041
あらいぐま
三島由紀夫を含めたフランス心理小説とその影響下にある作家は冷徹な目で登場人物の心を解析しようとしているので、自然とそれ向きの読み方が必要になります。硬質の切れる文章は心理を描く手段にすぎません。畢竟、作者が目指している心理分析に興味があるかどうかが好きになれるかどうかの分かれ目です。小説に主人公との共感を求める読者には三島由紀夫やフランス心理小説は合いません。 文学に主人公との共感を求めるなら、以前も書きましたがドイツの小説です。日本では井上靖の自伝的小説なんか未読ですがそうかもしれないと期待しています。 あと、主人公に共感したりその心理に注目する以外の見方ができなければ読む甲斐がない作品もあります。例えば有島武郎の「或る女」ですが、主人公には共感できないし何を考えているのかわからないと投げるのではなく「作者は主人公のこんな行動を描くことによって原罪を描けると思ったのだろうか?」と視点を変えればまともな読書が成立します。「金閣寺」でも犯罪心理からの別な見方が可能でしょう。わたしは同書の中国語とスペイン語の訳まで集めるほどのめり込みながら三島その人に対しては結構冷めています。

トピ内ID:6410101814

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