私が65歳の時に97歳で母が亡くなりました。82歳で大腸がんを手術しその後認知症を発症し次第に直前の記憶が覚束なくなりました。
手術後に突然起き上がって独り言を言ったり、会話内容が唐突であったりしたので、病院に相談したところ「よくある症状で次第に落ち着きます」ということでした。ところが次第に認知力が落ち、手術の4~5年後にはテレビの前に座りじっと下を見ている毎日でした。会話や意思疎通も次第にとぎれとぎれになっていきました。
そのごろにインターネットで認知症を調べていると「せん妄」という主に麻酔を使用した手術後に高い確率で発症する認知症に近い症状がでることを知りました。
さらにそのせん妄は直ぐに治療を始めれば改善することができるということでした。
そのことを知ってからは、なぜ病院は適切な治療をしてくれなかったのか、私はもっと早く気付かなかったのかと何度も自分を責めました。あのせん妄がなければもっと母と意思疎通ができたり、もっと不安の少ない老後を送らせてあげることができたのにと思い出しては後悔しています。
最後は新たにガンが見つかり病院付きの介護施設に入りましたが、1か月もたたないうちにホスピスに入り3か月で亡くなりました。ホスピスでは意識も混濁していて会話はできないためベッドの横で皺だらけの顔をじっと見つめているだけでした。女性の権利も自由もない時代に、しかも大きな商家に嫁いだため舅姑小姑のハラスメントに耐える人生でした。「私は女学校まで行って勉強したけど、勉強が役立ったことは一度もなかった。単なる労働力として嫁いできた人生だった。学校卒業後に進学せず裁縫とかを習った姉妹の方がよっぽど賢い選択だった」といっていました。その人生を想像しながら人生を終えようとする母に心から「ありがとう」と言うばかりでした。
そんなことを思い出す今この頃です。
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