先日、知人からクッキーが送られてきました。
缶に封をするため一周くるりと巻かれたテープ。
これを見た瞬間、母を思い出したのです。
母はいつもそのテープを手に座り込み、椅子の足のゴミを取っていました。
「まだ取れる。ほら!」
そのまま四つん這いで台所へ移動して、床の隅までペタペタやるんです。
這いつくばった母。
「もういいよお。テープ捨てようよ」とあきれる私。
「ああ美味しいわね」という場面はまったく思い出せません。
月日が何十年と経ち、娘の私が実家に出向き、台所に立つということが増えました。
キッチンに入ってため息ついたことが何度もあります。
缶に巻かれていたテープが、シンクの扉にび~っと貼ってあるからです。
足腰が弱ってしゃがめなくなった母は「もうちょっと元気になったら(それで)ゴミを取ろう」と思うのでしょう。
私からすると、トホホです。扉に長い間貼られたままになったテープは、なかなか剥がれません。手間がかかるんです。
「捨ててよ。もう貼らないで」と私が文句を言って、母が遠くで「うふふ」って笑う日々は、あっという間に過ぎました。
母は要介護となり、実家の台所は物が減って沈んだ色になっていきました。
そして母がこの世からいなくなってもう一年半。
私に母が乗り移ったみたいです。
缶からテープをはがしてみると、すごい粘着力。
ペタペタゴミを取りたくなる気持ちがわかりました。
いや、これ楽しいです!
綿埃、結構取れます。ハマります。無心になれます。
母も楽しかったんだと思います。
皆さんにお勧めします。
もしかして「もうそんなのやっている!」って方がいらっしゃったら、嬉しい限りです。
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