飼い主さんにとっては、自分のお家の猫ちゃんはみんな特別な存在ですよね。
私の猫ちゃんも世界に1匹の特別な猫です。
はにゃとの出会いは私がまだ独身だった16年前。社会人3年目の秋でした。
地元を離れ、家族も友達もいない環境で慣れない社会人生活。当時はまだ土曜日出勤、残業も多く、私の働く会社も俗に言うブラック企業でした。
出張と残業の毎日、ご飯を食べる事が面倒でその日の晩御飯も缶コーヒーでいいや。といつも自動販売機に向かうと、暗闇の中でニャーという声が聞こえました。猫?と思い、声のする方向に目を向けると大きなサビ柄の猫ちゃんが自動販売機の上から私を見下ろしていました。
『猫ちゃん、こんばんは』と声をかけると、その子は躊躇なく自動販売機から飛び降り、私の足に体をスリスリ。随分人懐っこい子で、私もその好意に甘えさせて貰い、フワフワの背中を触らせて貰いました。
そして次の日もその次の日も、その猫ちゃんは自動販売機の上から私を探し、見つけたら『にゃー』と近づいて来てくれました。
そんな日々が2週間ほど続いたある日、私と猫ちゃんの関係に変化がありました。いつも通り猫ちゃんを撫でた後、アパートへ戻り鍵を開けた瞬間、シュンと足元から何かが私の部屋に飛び込みました。まさか…と思い、電気を点けた所、あの猫ちゃんが私の後を付いてきていたのです。
そしてドアを開けるタイミングで部屋に飛び込みました。
勿論、一緒に暮らせれば楽しいだろうけど、猫を飼った事なんてないし、ここはペット禁止のアパート。
『無理だよ、ごめんね…』と抱き上げ、ドアを閉めました。
次の日の朝、その子は玄関の前に座っていました。私は仕事があり、かまうことは出来ずそのまま出勤。流石に夜になればいないだろう…と後ろ髪を引かれながらも自宅をあとにしました。
しかし、その日の夜、その子はアパートの前に座っていました。
つづきます
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