その人は連絡が途絶えると数週間は音信不通になります。
アパートを訪ねても、部屋の中は静まり返っていてヒトの気配はありません。
郵便ポストを覗くと、やっぱり、DMやら封書やらが溜まっています。
新聞受けはきれいなので、新聞だけは止めたのかもしれません。
その人は近所の居酒屋の顔見知りです。どちらかが先にひとりで飲んでいて、
隣が空いていれば後から来た方が並んで座って飲むくらいの仲。
「○○さん、また消えた?」とマスターに訊くと、
「戻ったみたいよ、昨日遅くに電話来たから。つってもどこから戻ったんだろうね」ひらひらと笑うマスター。
これから行ってみようか。行っちゃおー。時計を見ると夜の7時過ぎ。
「ねえ、焼き鳥包んでよ」
アパートの下から見上げると、○○さんの部屋には明かりが。やっぱ帰ってる。一応携帯を鳴らしてみる。
「おお、みくちゃん、どうしたの」と○○さんの元気な声。
「いま下。焼き鳥持ってきた」
「いいねー。直ぐおいで」
アパートの扉がカチャッと開いて、顔を覗かせた○○さん「入んな」
この顔、この声が好きだ。でも、やっぱり、今回も。○○さんは埃だらけ。
行方をくらましたあと、再会するときはいつも、長い間部屋に放置された置物のように、埃だらけの○○さん。
なんか可笑しい。すごく愉快。不思議な人だ○○さん。
思わずトピにしたくなっちゃいました。
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