ナイアガラの滝で日本人観光客のガイドをしていた時代の事です。その日は関西地区の商店街の団体さんで、団長さんはパンチパーマのきいた怖そうなおじさんでした。
その日の観光の目玉である『霧の乙女号』の乗船を終えた後、「ガイドさぁ~ん、虹が出てたでぇ~!」と子供のようにはしゃぎながら、その団長さんが私にこう言いました。
「実はな、うちのメンバーの○○さんね(その方を指差して)、2年前に白血病で奥さん亡くしはってな、その奥さんが死ぬまでに一度ナイアガラの滝が見たい、言うてたんやけど結局間に合わんかった。団長である俺が奥さんが生きてるうちにカナダ旅行を計画して連れてくるべきだっと、俺ず~っと悔やんでたんや。それでな、今回ご主人が奥さんの骨をひとつまみ持ってきてたから、さっき船のデッキから虹に向かって撒いてきた。なあガイドさん、今頃奥さん喜んでくれてるかな?有難うって言うてくれてるかな?」
私の目もナイアガラの滝になってしまいました。
あの時のパンチパーマの団長さん!私はカナダにまだ住んでいますよ。結婚も離婚も経験しましたが、つらい時に時々貴方の優しさを思い出しています。
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