人間歴六十余年、同居嫁歴凡そ四十年。
未だ真から心が通い合うなどということは皆無。おそらく一生ないであろう。嫁経験のない義母は、嫁という者をなんと心得ているのであろうか。価値観の異なるひとと生活を共にすることの苦しさ、切なさ、的確な形容詞がない悔しさを子育てと常勤の仕事のバネにしてきた。無我夢中で突っ走って、気が付けば六十路。寛大で心優しい夫だけが救いだった。身勝手で多弁な義母は、老いて益々元気だ。身勝手、多弁を目の前にすればするほど、私は寡黙になる。今、私の辞書には、『尊重』という言葉が太字で印字されている。私にも、信頼すべき息子のお嫁さんができた。私は、お嫁さんをひとりの人間として『尊重』して向き合おうと思う。彼女のことを心から可愛いと思える自分が居た。そして、これからは、夫と私の行く手を尊重していこうと思う。
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