父は看護師でしょっちゅう海外出張に行っていました。
たまに帰ってくるとおいしいお土産を持って来てくれたり海外の通貨や写真を見せながらいろんな話をしてくれる父が私は大好きでした。
いつも父の帰りを待ち遠しく思っていたのをよく覚えています。
ある日、私が保育園でお昼寝の時間に寝ていると、保育士さんが私を呼びに来ました。
「◯◯ちゃん、お父さんがお迎えに来たからお昼だけどバイバイだよ~」と言われ、ドアの前を見ると父がニコニコしながら私を見ているのが見えました。
その時もちょうど海外出張で長い間家を空けていた父のサプライズ登場が嬉しくて嬉しくて、急ぎ足で父の元へ向かいました。
保育園を出たあと、父は私に「今から◯◯の大好きな遊園地に行こう!」とさらに嬉しいサプライズを提案してきました。
私は飛び上がって喜び、父と2人で遊園地に行くことになりました。
平日のお昼で人はまばら。私の大好きなパンダの乗り物に乗ったり、金魚すくいをしたり、ゴーカートに乗ったり、時間は楽しく過ぎて行き、最後は観覧車に乗りました。
遊び疲れてうとうとしていた私の頭を優しく撫でてくれる父の手に安心して、私はいつの間にか眠りに落ちていました。
目を覚ますと、そこは自宅の寝室。
帰ってきた母は父が保育園から私を早退させてくれたことをしらず、とてもびっくりしている様子。
私も母がなんでそんなにびっくりしているのか不思議でした。
そういえば、私をここまで運んでくれたはずの父の姿が見当たりません。
母も父がどこに行ったのか知らず、結局それから10日間父は家に帰ってきませんでした。
ある日、家に一本の電話がかかってきて冷たくなった父が見つかった事を知りました。
お父さん、あの日の遊園地の記憶は私が見た幻だったんでしょうか。
それとも、最後に私に何かを残そうとしてくれたんですか?
今でも思い出すと涙が止まらなくなります。
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