糖尿のけがある、と医者に脅され体重をこのひと月で3キロも落とし母の家を訪ねました。
母もデブです。
母は父の仏壇にある八重のトルコキキョウを指差しながら、げっそりとやつれた私に、
「Rちゃんにもらったの。素敵でしょう?」
さも嬉しそうに自慢します。
私の弟の嫁、Rちゃん、よく気づくこと。
「カーネーションじゃないんだ」
私は意地悪な声で訊いてみる。
「嬉しかないよ、カーネーションなんて」
母はさっぱりと言う。
ややあって、ピーンポーン。家の呼鈴が鳴ります。
鍵なんて掛けていないことを知りながら、これは、私の夫の演出です。
玄関で迎える母へ、わっと、カーネーションの花束を贈る、そんな段取り。
私は部屋に。母は夫を迎えに。
キャー、とか、素敵ー、とか、やだ嬉しいー、とか。
母のわざとらしい声が仏壇を経由して私の耳にも聞こえてきます。
私は父の写真に向かって、大きな溜息をひとつ。
部屋に戻ってきた母は、嬉しくもない花束を抱え満面の笑み。
その隣で満足気に微笑む無邪気な夫。
夫もデブです。
「今夜は焼肉だよー、牛肉たんまり買っといたからねー」と母。
わ、私は減量中だよ? 糖尿かもしれないって、言ったじゃん?
このやつれを見て、あなたは心が痛まない?
「ビールもたーくさん、冷えてるぞー」とさらに母。
私はうな垂れ、母は笑う。
こういう母を、
一度はきっぱりと、説教したほうがいいですよね?
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