中学生の時、私にはとても仲の良い一つ上の先輩(男)がいました。
先輩とは家も近くて、学校の登下校も一緒にするほど親しく、先輩に対する尊敬は徐々に淡い恋心へと変化していきました。
先輩がどんな人だったか一言で表現することは難しいです。
誠実、純粋、正義感、どんな言葉を用いても人格の複雑性を網羅することは難しいことですが、確実に言えるのは彼の笑顔からは澄んだ花の香りがするようであったということです。
高校生になってからも先輩とは連絡を取ったり、家の近くで会った時には日が暮れるまで話し込んだりもしました。
先輩は相変わらず素敵な人で、彼に対する私の気持ちも相変わらず…でした。
しかし、先輩が高校を卒業した後、先輩のお母様から衝撃的な事を告白されました。
先輩は高校でいじめを受けていたのです。
その手口はとても陰湿で、SNSなどを主に用いて行われたそうです。
それゆえ、先輩の苦しみは誰にも気づかれる事なく放置され、そのストレスから卒業後先輩はうつ病とptsdと統合失調症を併発して現在も闘病中です。
先輩とはそれから1度だけ会って話しました。
その時の先輩はいつものように笑顔で接してくれましたが、その笑顔が完璧な作り笑いだと理解するのは私にとって容易な事でした。
彼はもう、変わり果ててしまっていた。
私はもう、彼の光にはなれない。
彼の目を見て、そう確信しました。
そして何よりもショックだったのは、彼のような高潔な人間に、正当な愛情が注がれなかった事でした。
それから、私は人の暗い部分ばかり見えるようになってしまいました。
誰かが笑っていても、その裏の苦しみを、光の当たらぬ地獄のざわめきを、私は聴いてしまうのです。
だから教えて欲しいのです。
人間は、光を吸って生きているのか、闇を吸って生きているのか。
それとも私自身が、全身に闇を纏っているだけなのか。
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