大好きな向田邦子さんの作品に「メロン」というエッセイがあります。
旅先のレストランで、隣のテーブルの人が熟れた美味しそうなメロンを召し上がっているのを見て、向田さんも注文しようとしたら、同行のご友人が『レストランのメロンなんて高くつく!果物屋で買って部屋で食べよう』と。重いメロンを抱えて観光して、いざ食べようとしたら、お皿やナイフがないので、別途果物のルームサービスを頼んで、しかもそのメロンはスカスカのはずれだった(笑)というお話。
私も、コロナ前ですが、同じような体験をしました。
旅先で素敵な和菓子屋さんを見つけました。美しい季節の上生菓子があり「ご予約優先ですが、お頒けできる分がありますよ。こちらのテーブルでお茶と一緒に召し上がれます」とのことでしたが、同行の友人が「お茶とお菓子で2千円!?高い!お菓子だけ買いましょう。」と。めったに来られる場所じゃなし、ゆっくりお薄をいただきながらなら、いいじゃんと思ったのですが、押し切られ…あげく、近所のファストフード店に持ち込んで、ドリンクだけ注文して、こっそり食べようと…。さすがに「マナー違反だし、にぎやかなBGMのかかった場所で、コソコソ食べたりしたら、味がしないからイヤだ」ときっぱり拒否しました。結局、一日気をつけて持ち歩きながら観光して、安いホテルの部屋に持ち帰り、熱いお茶と一緒にゆっくり賞味しました。
当時は、これだから一人旅の方がずっといい、もう二度と彼女とは一緒に旅行はしないと思ったものですが、デリケートなお菓子を崩さないようにすり足で一日歩いたおかげで、人ごみの中をメロンを抱えて歩いた向田先生のお気持ちを実感できたのは、ある種、旅の収穫だったかもしれません(笑)。
世の中が落ち着いたら、もう一度ひとりでゆっくり訪ねるつもりです。
同じような経験をなさった方はいらっしゃいますか?いらしたら、お話を聞かせてください。
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