妊娠中にそもそもやつは暴れだしたんです。
最初は寝てしまえば大丈夫でした。一日経ち二日経ち三日経ち、しだいにずっくんずっくんずきんずきん、どどどどっどどどどっ、じーんびーん、ごおおおおお。道路工事のドリルや地ならしの機械が歯に宛てられているようで、耳の中で『せーの!』と除夜の鐘を打ち鳴らされ、あご全体が勇壮な男性陣による和太鼓の乱打になってまいりました。
ネットも本も眠気も気のまぎれに役立ちません。お腹を抱えて椅子の上で体育座りして夜を明かしました。涙目でした。
当時妊娠8ヶ月。産科に息も絶え絶えに確認し、歯医者に何軒も電話してようやく一軒応急処置だけしてもらえることになり、ほうほうのていで鎮静剤の詰め物をしてもらいました。
幸いやつはじょじょに撤退し、次の次の日から安眠できるようになりました……が!
師走に入って、またぞろ不穏な陰が下顎に忍び寄ってまいりました。
わはは親知らずめ、愛しいお子も生後七ヶ月、発達はごく順調、誰にでも預けられるわ! いざ迎え撃たん!
……と意気込み高く12月のクリスマス連休前に、大学病院で下の親知らずを片方抜きました。変な向きで生え、根っこは太い神経に一部ギリギリ触っていました。
抜く間、一瞬出産を彷彿としました。麻酔を途中で追加してもらいました。それでも涙が勝手に出てきました。頭蓋骨に響く『パキッ』て音。歯が割れる音。ぎりぎりぎり。もういっそちぎって。。。痛過ぎて、夢の世界に逃避も許されません。勝手にゆるやかに手がグーパー、膝がなめらかに屈伸します。痛みの原因は取れても、穴が痛みを主張します。
勝負に勝っても内容での完敗感がすさまじいです。
その日午後から仕事しましたが、テンションが変で、激しく後悔しました。クリスマスはグロッキー、お子の世話がきつかったです。
みなさん、下を抜く時は有給勧めます♪
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