30代半ばです。子供の頃の苦痛な練習、(特に地味なハノンの練習)、やたらとフラットの多い楽譜を見るだけで嫌になった思春期。おいショパン、途中からシャープにするなよ、やっと前半のフラットに慣れたのに。なんでコンサートはみんな変なドレスを着てるんだ、歳のいったおばさんがパステルカラーなんぞ着て恥ずかしくないのかと毒づいていた十代。
高校生の自分が何ヶ月もかけてそこそこできるようになる曲をさらっと弾いちゃう、テレビに出た天才小学生に醜い嫉妬。辞めてから楽譜は全て捨てたし、一生弾かないつもりでした。
が、子供達を産み育て、それなりに苦労もし、たまたま子供が習いたいといい、たまたま素敵な先生と出会い、たまたま楽器屋で信じられないくらい状態のいい美しい音色のピアノに出会い、なぜか毎日座って弾いています。いや、弾かないとだめだ、と思わされています。
作曲家がどんな思いでこの曲を作ったのか、どうして100年以上も時を越えても魅了されるのか、そういうことの目が離せなくなってしまいました。(ホント今更ですが)
レベルが難しいか凄いテクニックがいるかとかじゃなく、ただ「この曲を弾きたい」と思わせてくれる曲。作曲家や教えてくださる先生に失礼のないように仕上げたいと思う真摯な気持ち。音大にいくわけでもなく、誰にきかせるわけでもない。今もヒラヒラドレスは嫌いだし、わかった顔をしてウンチクいう人も大嫌い。だけど、子供達と連弾するとたまらない喜びでいっぱいになります。何度も練習を重ね、たまに訪れる作曲家の気持ちと自分の人生がふっと触れられたような瞬間が、愛おしく切なくなります。天才と呼ばれた人たちに恥じない演奏がほんの少しでもできましたか、と問いかけたくなります。
ピアノの先生には私のレベルごときで恥ずかしくて言えませんが、このトピを見てくださったピアノ関係者に一言お礼まで。
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